認知症ライフパートナーについて知りたい!受験資格や難易度は?

日本の認知症患者は年々増加傾向にあり、厚生労働省の「認知症施策の総合的な推進について」という資料によると2025年には約700万人になると予想されています。そのため、国も認知症対策には力を入れており、さまざまな取り組みや施策を行っていますが、そのひとつが認知症ケアに携わる専門職の養成です。ここでは、認知症の方やそのご家族へのサポートを目的とした資格である、認知症ライフパートナーについて解説します。認知症介護の知識を深めたいとお考えの方は参考にしてください。

【簡単に解説】認知症ライフパートナーとはどんな資格?

認知症ライフパートナーは、2009年に一般社団法人日本認知症コミュニケーション協議会が創設した民間資格です。認知症の方に対し、これまでの体験や生き方、価値観などを尊重し、その方らしい日常生活が送れるように、ご本人やご家族をサポートすることを目的としています。認知症の方は、言葉でのコミュニケーションが機能しないことも多く、納得して行動することが困難です。その方らしい生活を送るサポートをするためには、認知症に関する基礎知識の習得はもちろん、患者さんの思考や感情を理解する能力、さまざまなアクティビティの計画・運営などを学ぶ必要があります。そこで得た知識やスキルを認知症ケアに役立てるのが認知症ライフパートナーの役割です。

認知症ライフパートナーの資格は、1級・2級・3級と3段階のレベルに分かれています。それぞれの学習内容を紹介しましょう。

3級

認知症ライフパートナー3級は、認知症ケアに関わる専門職の方だけでなく、身近に認知症患者がいる方や学生など、誰もが身につけておきたい認知症についての基礎知識の習得を目指します。認知症という病気の特徴の理解、症状への対応やケアの仕方、コミュニケーションの取り方などが主な内容です。

2級

認知症ライフパートナー2級は、認知症ケアの現場で必要な専門知識や症状の対応方法、アクティビティ、ケアに必要なコミュニケーション手法などの習得を目指します。また、認知症の方やそのご家族が安全に暮らすための住まいの在り方や、国の制度・施策、認知症予防のための生活習慣の改善についてなど、3級より専門的な知識が盛り込まれた内容です。

1級

1級は、2016年度に新設されたレベルで、2級と3級よりも踏み込んだ専門知識や判断力、コミュニケーション能力、マネジメント能力の習得を目指します。1級合格者は指導者としての役割も求められ、後進の指導に当たったり、アクティビティやケアの企画・運営をしたり、地域包括ケアシステムの機能を活用し関連地域と連携したりなど、知識だけでなく実行力なども必要です。

認知症ライフパートナーを取得したときのメリット

認知症ライフパートナーは、広く名前が知られている資格ではないかもしれませんが、急速に高齢化が進む日本において、注目を集めている資格です。ここでは、認知症ライフパートナーの資格を取得するとどんなメリットがあるのかご紹介しましょう。

介護職への転職の際に有利になる

認知症ライフパートナーは、民間資格なので待遇に影響することは少ないかもしれません。しかし、認知症の介護現場で役に立つ知識や技術を習得できるため、履歴書に書いたり面接でアピールしたりすれば、転職や就職の際に有利となるはずです。

介護者の負担を軽減できる

認知症の特性として、徘徊や記憶障害、攻撃的などさまざまな周辺症状が挙げられます。これらの症状は病気のせいだと分かっていても、介護者の負担となってしまう状況は多々あるでしょう。このような状況を打開するには、認知症を正しく理解し、症状に合わせた対応やケアが重要となります。認知症に関する知識やケア手法は、介護者の立場としてはもちろん、ご家族が介護者の場合も適切なサポートをすることによって負担軽減につなげることができるでしょう。

より高い介護資格を目指すきっかけにできる

認知症ライフパートナーは、実務経験がなくても受験可能です。認知症に関する資格の中には、実務経験を必要とする資格も多いため、認知症ライフパートナーは比較的気軽に目指せる資格と言えます。認知症について深く学びたい方や介護の知識を増やしたい方などは、ぜひ取得しておきたい資格です。

認知症ライフパートナーの受験資格は?

認知症ライフパートナーの受験資格は、2級と3級に関しては学歴や年齢などの制限がなく誰でも受験できます。1級は、深い専門知識を必要とするレベルなので、認知症ライフパートナー2級に合格している方が受験可能です。

認知症ライフパートナー検定試験の合格率や難易度は?

認知症ライフパートナーの検定試験は、2級・3級はマークシート式、1級は前半マークシート式・後半記述式で行われます。2級・3級は100点満点中70点以上、1級は前半・後半各100点満点中、前半・後半ともに70点以上が合格基準です。2020年の合格率は、1級は28%、2級は57%、3級は66%でした。

試験内容は、1級の一部を除き、検定試験を実施している日本認知症コミュニケーション協議会が発行している公式テキストから出題されます。公式テキストの他に過去問題集も発行されているので、テキストと合わせて利用すれば効率的な学習につなげられるでしょう。現在、2021年に刊行された公式テキストと公式過去問題集が販売されています。これから資格取得を目指す方は、最新版の購入がおすすめです。

認知症ライフパートナーは、ユーキャンのような通信教育講座は開講されていません。受験勉強は、自力で行うしかないため、テキストと過去問題集を併用した学習が合格への近道と言えるでしょう。

認知症ライフパートナーの受験要項について

認知症ライフパートナーの検定試験は、1級は年に1回(冬期のみ)2級・3級は年に2回(冬期・夏期)実施されています。

2021年度は、夏期の試験は中止されましたが、冬期は12月12日に実施。(2022年度夏期検定は実施予定)
1級は前半と後半の2部制となっており、試験の制限時間は1~3級すべて2時間です。
受験料は、【1級】14,000円、【2級】9,800円、【3級】6,000円となります(すべて税込)。
受験申込は、インターネットかFAXまたは郵送で行います。申込受付期間や振込期日も指定されているので、受験する際には事前に確認しておきましょう。

認知症ライフパートナーは認知症に関する資格の入門編

認知症ライフパートナーは、認知症に関する基礎知識から症状に合わせた対応の仕方やコミュニケーション手法など、専門的な知識や技術を習得できる資格です。2級・3級は誰でも受験可能なので、認知症ケアに関する資格の中では比較的挑戦しやすいと言えます。認知症の介護現場で働く方やこれから介護業界へ転職を考えている方は、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。

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