高齢者はなぜ夏に寒がるの?なぜ年をとると暑さを感じにくくなるの?

高齢者が、夏の暑い時期にやたら寒がるなんてことがあると、なにかの病気なのかと不安になってしまうかもしれません。しかし、高齢者がとにかく寒いと感じるのには、病気以外にもさまざまな原因が考えられるのです。そこで今回は、高齢者がなぜ暑い夏に寒がるのかその原因について説明します。原因を知ることで、高齢者への理解へとつながるでしょう。また、熱中症にならないための対策についても紹介しますので、介護施設で働いている方は、ぜひ参考にしてみてください。

高齢者が夏に寒がる原因とは?

まずは、高齢者が夏場暑いのに寒がる主な原因を見ていきましょう。ここで紹介するのは、高齢になることによって誰もが起こりうる症状や身体の変化です。

体温調節機能低下

高齢者の体温調節機能低下はなぜ起こるのでしょうか。
人は、常に体温が36~37度ほどに調節される仕組みになっています。しかし、高齢になると、すべての臓器の機能が徐々に低下していくとともに、体温調節機能も低下していくのです。すると、夏は暑さを感じにくく、冬は寒さに気づかないということが起こり得ます。また、運動不足により汗腺の機能も低下し、発汗による体温調節もしづらくなります

筋肉の減少

若いころと比べて筋肉が減少することも、高齢者が寒がる原因のひとつです。筋肉には、体内に熱を生み出す働きがあります。筋肉量が減少すると、寒さを感じても体温を上げにくくなるのです。昔は暑がりだったのに、年をとって寒がりになったという男性は、筋肉の減少がその理由のひとつかもしれません。

食欲の低下

高齢者は消化機能が低下したり歯が悪くなったりし、若いころに比べて食欲も低下します。食欲が低下して食事量が減ることで、摂取するカロリーが少なくなり熱を生み出すための材料が減少。そうすると、体温が低くなり、夏でも寒さを感じやすくなるのです。また、食欲が低下することにより低栄養になることも、寒がりになる原因になります。

下肢静脈瘤

高齢者に多くみられる下肢静脈瘤は、静脈の弁が壊れることで血液が心臓に戻りにくくなってしまう病気です。血液が下肢に滞るため、足のだるさやむくみ、冷えなどの症状が現れます。すると夏でも血流が悪くなり、寒がることがあるのです。

認知症が原因で寒がる

ここからは、認知症の症状がある高齢者が寒がる原因を解説していきます。認知症を患うと、記憶障害をはじめ、さまざまな症状が現れます。その中のひとつ、暑いのに寒いと感じる症状がなぜ起こるのかみていきましょう。

自律神経の働きの低下

人の体温調整には、脳の自律神経の働きが大きく関わっています。寒がりの人の特徴のひとつとして、自律神経の乱れがあげられます。
認知症になってしまうと、自律神経の働きが低下します。自律神経の調整がうまくできなくなることで体温調節機能も低下し、夏でも寒がることがあるでしょう。認知症の中でも、レビー小体型認知症の場合はとくに自律神経に異常が起こることが多く、体温の調節機能が衰えやすいと言われています。

見当識障害・判断力の低下

認知症の方は見当識障害や判断力の低下が起こりやすく、暑さや寒さに対する正しい判断も失われてしまいます。すると、暑いはずの夏場でも服を着込んだり暖房をつけたりし、寒がるような仕草がみられることがあるのです。

精神的不安

高齢者が寒がる理由には、精神的不安を抱えていることも考えられます。認知症によって感じる不安感を、服を着込み身体を温めることで和らげようとする方もいるようです。

高齢者は熱中症に注意!暑いのに寒がるときの対策方法

夏場、高齢者が暑いのに寒がる場合に注意したいのが熱中症です。暑さを感じにくくなっているために適切に冷房器具を使用しなかったり、寒いと感じて服を着こむなどしたりすることで、部屋の中にいても熱中症になることがあります。
では、熱中症にならないためにどう対策すればよいのかみていきましょう。

気温と湿度を視覚で確認できるようにする

見やすい場所に温度計と湿度計を置き、こまめにチェックするようにしましょう。暑さを感じにくくなった高齢者の体感に頼るのではなく、気温や湿度に応じて、冷房器具の設定温度を変えることが大切です。また、視覚で確認することによって、高齢者も温度の高さを理解してくれやすくなります。

水分をこまめに取ってもらう

高齢者は脱水症状を起こしやすく、さらには回復しにくい傾向にあります。脱水症状は熱中症の原因となるので、のどの渇きを感じる前にこまめに水分補給をしてもらいましょう。暑い時期には2時間おきに水分をとるなど、時間を決めておくのがおすすめ。汗をかいている場合は、水分だけではなく塩分も補給する必要があります。薄めたスポーツドリンクや飲み物に塩を少し溶かしたりして対策しましょう。

外出時には服装に注意し休憩も取り入れる

気温が高い日の外出はできるだけ控えた方がよいですが、気分転換や体力維持のために必要な場合もあります。そんなときは、太陽の熱を吸収しにくい白色で、熱を逃しやすい、ゆったりとした服装にしましょう。また、木陰や涼しい場所での休憩時間を適宜設けることで、体温上昇を防ぐことも大切です。

普段から体調管理に気を付ける

介護スタッフは、普段から利用者さんの体調管理に気を付けましょう。体調や食欲、血圧や体温の変化などを日々確認することで利用者さんの異常に気付きやすくなります。

高齢者が夏に寒がるときは気持ちに配慮をしながら対策を

高齢者はさまざまなことが原因で、暑い夏に寒がることがあります。そんなときには、利用者さんの気持ちを尊重しつつ、安全な状態を確保しましょう。そのためには、周りにいる介護スタッフが利用者さんの些細な変化に気づくことが大切です。高齢者が熱中症にならないよう、今回紹介したことを理解しぜひ役立ててくださいね。

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