介護職の有効求人倍率を解説!新卒・転職採用は売り手市場?!

介護業界は「売り手市場」と言われていることをご存知でしょうか。売り手市場では求人数が就職希望者数を上回るため、仕事を見つけやすい、転職しやすいという点がメリットです。今回は介護業界の人員に関する現状や有効求人倍率から、売り手市場について詳しく解説していきます。介護職で転職を考えている方はぜひ参考にしてください。

介護職の求人・採用は「売り手市場」

まずは売り手市場と言われる介護業界をとりまく環境を確認していきましょう。

介護職員の需要は年々アップしているのが現状

日本の人口は65歳以上の高齢者の割合が21%を超え、超高齢社会に突入しました。厚生労働省「令和3年版高齢社会白書」によると、2020年時点で日本の高齢者の割合は28%以上、2025年には30%に達するそうです。そこで必要とされるのが介護従事者となります。厚生労働省の「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」の発表によると、2019年度の全国の介護職員は約211万人2023年度は約22万人増員の約233万人2025年度では約32万人増の約243万人が必要になるそうです。

介護職の需要が増加している一方で、人員は不足している

介護職の需要は今後も増加の一途が予想され、介護職員も年々増加しています。しかし、多くの自治体で介護職員の人員は不足する見通しだそうです。理由としては、求人の需要に人員数が追いついていないことや、介護関係の仕事に就いている方の離職率が高いことが挙げられます。

介護の現場で求められている職種とは

福祉人材センター・バンクの「職業紹介実績報告」では、具体的な求人数が公表されており、2021年9月では以下のようになっていました。

求人状況(人数)

職種求人数
介護職
(ヘルパー以外)
29,266
相談・支援・指導員7,932
ホームヘルパー5,863
介護支援専門員2,181
看護職5,100
サービス提供責任者等808

※参照:福祉人材センター・バンク 職業紹介実績報告(令和3年9月)

求人状況(雇用形態別)(人数)

正社員常勤
(正職員以外)
非常勤・パート
介護職
(ヘルパー以外)
17,5982,9758,693
相談・支援・指導員4,8211,1551,956
ホームヘルパー1,2212124,430
介護支援専門員1,597143441
看護職3,2542281,618
サービス提供責任者等6547678

※参照:福祉人材センター・バンク 職業紹介実績報告(令和3年9月)

求人数を見ると、介護職(ヘルパー以外)の求人は非常勤も含めると3万近くあり、相談・支援・指導員、ホームヘルパー、看護師などの求人も多くあります。介護職(ヘルパー以外)や相談・支援・指導員などの求人は正社員が多いですが、ホームヘルパーに関しては非常勤やパートといった人員へのニーズも高いことが分かりました。

【最新】介護職の有効求人倍率を解説&ご紹介

まずは有効求人倍率とはどのような数値なのか簡単に解説し、最新の介護職での有効求人倍率もご紹介していきましょう。

有効求人倍率とは

売り手市場であることの判断材料として「有効求人倍率」という指標があります。有効求人倍率は、求職者1人に対して求人が何件あるかを表した数値です。たとえば、有効求人倍率が2以上なら、求職者に対して2件以上の求人がある状態を指します。有効求人倍率にはさまざまな見方があり、業種別や都道府県別に算出しているデータなどがあるので用途にあわせて参照してください。

介護職の有効求人倍率は高い傾向

厚生労働省発表の「一般職業紹介状況(令和3年9月分)」によると、「介護サービスの職業(パート含む)」の有効求人倍率は3.63倍でした。これは求職者1人に対して3.63件の求人があるということです。同月の全職種の有効求人倍率(季節調整値)は1.16倍だったので、介護サービスの職業の有効求人倍率は高い水準であることが分かります。

前項で解説したように、介護従事者の需要が高まっていること、有効求人倍率が高いこと、この2つから、介護職は「売り手市場である」と言えるでしょう。

有効求人倍率2010~2020年の推移をチェック

有効求人倍率の推移を見ることで、業界の傾向が分かります。介護職の有効求人倍率の推移を紹介しましょう。

介護サービスの職業(パート含む) 有効求人倍率推移

倍率
2010年1.31
2011年1.58
2012年1.80
2013年1.83
2014年2.22
2015年2.59
2016年3.05
2017年3.57
2018年4.01
2019年4.31
2020年4.03

参照:厚生労働省 一般職業紹介状況(職業安定業務統計)
※2010年、2011年は社会保障審議会(介護給付費分科会)第145回 参考資料2の数値参考

介護サービスの職業(パート含む) 有効求人倍率推移のグラフ

参照:厚生労働省 一般職業紹介状況(職業安定業務統計)
※2010年、2011年、2012年は社会保障審議会(介護給付費分科会)第145回 参考資料2の数値参考

上の表とグラフは厚生労働省の「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」を参考にした介護サービスの職業(パートを含む)の有効求人倍率の推移です。2010年から2020年までをまとめました。

介護職の有給求人倍率は2020年にやや落ち込みはありますが、基本的に右肩上がりの傾向が見てとれます。グラフには2013年から職業計の有給求人倍率も記載していますが、両者を比べるといかに介護職の有効求人倍率が上昇しているかがお分かりいただけるでしょう。介護職の労働市場は急激に拡大していて、売り手が有利であることが伺えます。

中四国エリアの各県有効求人倍率

最後は中四国エリアに絞って、介護職の有効求人倍率を見ていきましょう。厚生労働省の介護統計を参考に、令和2年10月の有効求人倍率を例に中四国の傾向をご紹介します。

都道府県別有効求人倍率(令和2年10月

地域倍率
広島県3.66
岡山県4.46
山口県3.44
島根県2.97
鳥取県2.62
香川県3.61
愛媛県4.25
徳島県3.08
高知県2.47
全国平均3.86

参照:厚生労働省 職業安定業務統計

都道府県別有効求人倍率(令和2年10月)グラフ

参照:厚生労働省 職業安定業務統計

中四国エリアの2020年10月の介護サービスの職業(パート含む)の有効求人倍率は、2.47倍から4.46倍まで県により2ポイントの幅がありました。同時期の全国平均の介護職の有効求人倍率(3.86倍)を超えていたのは岡山県と愛媛県です。全国の介護職の労働市場と比較して、中四国の有効求人倍率はやや低い傾向があります。それでも、売り手市場には変わりありません

有効求人倍率は高いほうが、よりよい条件の求人に出会えるチャンスや採用の可能性が広がります。有効求人倍率が低めのエリアや、時期的に有効求人倍率が低いタイミングで転職を希望する場合は、武器となる専門資格を取得するなどしてみましょう。また、労働条件を相手に合わせるなど、採用に向けた努力を惜しまないことも大切です。

介護職の有効求人倍率は高い傾向!でも採用は個人次第

高齢化が進むなか介護職員の需要は高く、職員数も年々増加傾向にありますが、慢性的な人員不足に悩む現場は少なくありません。介護職の有効求人倍率は直近3年では4倍を超えており、売り手市場と言われています。しかし「すべての希望者が採用される」というわけではありません。転職を希望する方は、労働市場の状況に甘えず、採用に向けスキルアップなどの努力を惜しまないようにしましょう。

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