防災介助士とは?災害時に適切な行動ができる介護スタッフを目指そう

防災介助士は、高齢者や障害者など支援・配慮を必要とされる方々を中心に、災害時に適切な介助・行動を実践するための知識や技術を有する資格です。介護施設の利用者さんは、災害時に支援を必要とする方々がほとんど。防災介助士資格を取得するための学習では、利用者さんを災害から守るためのノウハウを身に付けることができます。資格取得のメリットや合格率、難易度、受験料などをまとめました。

【簡単に解説】防災介助士とは?防災士とはどう違う?

防災介助士とは、地震や台風をはじめとする災害について理解し、災害への備えや災害時に取るべき適切な行動を学び、それらを実践する技術を身に付けるための民間資格です。英語表記は「Incident Response Care-Fitter」。主に、高齢者や障害者などの支援・配慮が必要な方々への対応に焦点を当てていることが特徴です。なお、支援や配慮が必要な方々とは、災害基本法でいう要配慮者・避難行動要支援者などに当たります。

防災介助士に似た、防災士という資格を知っていますか?防災士とは、社会のさまざまな場で防災力を高める活動を行い、高い防災意識と一定の知識・スキルを修得した方に与えられる資格です。防災士は介助の対象を特に定めておらず、全ての方を災害から守るために寄与します。対して、防災介助士は一般的に行われる防災対策や訓練では、なかなか配慮が行き届かない高齢者や障害者などへの対応が活動の中心です。

このように防災介助士は、災害が多発する日本において“誰一人取り残さない防災”の実現に欠かせない資格と言えるでしょう。

介護現場で役立つ!防災介助士資格取得のメリット

防災介助士は履歴書に記載可能な資格ですが、資格取得によって就職が有利になったり、特別な権利が得られたりすることはありません。しかし、災害時に適切な介助を行えることはもちろん、災害に備えて身に付けた知識や技能は普段の介護現場でも大いに役立ちます。では、介護スタッフが防災介助士の資格を取得するメリットを4つ挙げていきましょう。

メリット1:防災についての正しい知識が身に付く

まず、災害とは何か、人を取り巻く環境の災害に対する脆弱性とは何かについて学ぶことができます。防災の基礎知識や避難する際のポイントなど、実際に災害が起きた場合の正しい行動や対処法が身に付くのがメリットです。

メリット2:安心・安全な介助技術が身に付く

高齢者や障害者など、避難行動にサポートを必要とする方々への具体的な介助方法を学ぶことができます。介護現場は、スタッフ以外のほとんどが要配慮者・避難行動要支援者という環境が多いでしょう。そのため、介護スタッフが災害時の介助技術を有していることは、利用者さんにとっても大きな安心材料になるはずです。

メリット3:日常で役立つ応急手当が身に付く

止血や応急手当の方法を学びます。災害時だけではなく、日常の中で起こる不慮の事故などの際にも応急処置に関する知識は役立つでしょう。

メリット4:チームビルディングの基本が身に付く

あらゆる場面を想定した、チーム作りの基礎を学ぶことができます。要介護者を搬送・避難するなど、災害時には単独での対応が難しい場面も多く、チームで協力して合って行動することが大切。防災介助士の資格を取得するための勉強では、自身を組織化し、それぞれが役割を持つチーム体制を整える、チームビルディングの基礎を学ぶことができます。
チームビルディングのスキルを身に付けることで、普段の介護の仕事においてもリーダーシップを発揮できるようになり、チーム体制の強化につながるでしょう。

防災介助士の受験資格や受講料は?

防災介助士の検定試験を受けるためには、まず「公益財団法人 日本ケアフィット共育機構」へ申し込みを行い、指定テキストによる自宅学習を行います。自宅学習の課題を提出し、合格ラインをクリアすると、実技教習・検定試験の受験資格を得られるという流れです。

資格取得に関しては年齢・職業などの制限はなく、誰でも申し込むことができます。また、心身に障害がある方なども受験することが可能です。身体障害によって実技が伴うカリキュラムの受講が難しい場合には、受講者本人から第三者へ介助や応対方法が指示できることを条件として、カリキュラムを履修したことが認められます。ただし、妊娠中の方は実技教習が受講できません。

防災介助士講座の受講料は、27,500円(税込)。資格取得申込み後、同団体から送られてくる払込取扱票、またはクレジットカードで支払います。防災介助士の資格取得に必要な費用は、基本的に受講料のみ。筆記の検定試験に不合格・再受験となった場合は、3,300円(税込)の再受験料が必要です。

また防災介助士は、ユーキャンなどの通信教育には、資格を取得するカリキュラムが存在しないようです。資格取得を希望する方は、「公益財団法人 日本ケアフィット共育機構」が運営する防災介助士公式サイトをチェックしてください。

https://www.carefit.org/bousai/

防災介助士の資格合格率は?資格の更新は必要?

防災介助士の資格取得を検討している方にとって、試験の合格率や資格更新が必要なのかは気になるポイントではないでしょうか。詳しくご紹介します。

防災介助士の合格率は?難易度は?

防災介助士公式サイトによると、合格率は約8割。自宅学習で行う提出課題と各会場で行われる筆記の検定試験の合格基準は以下のとおりです。

  • 提出課題(全100問):100点満点中70点以上で合格/不合格の場合は再提出
  • 検定試験(全50問):100点満点中70点以上で合格/不合格の場合、再試験受験可能

提出課題・検定試験ともに7割の正答率で合格できるので、介護系民間資格の中でも難易度は高くないと言えるでしょう。なお、試験問題は一般公開されていません。
受講期間は、申込みから12ヶ月と、比較的長く設けられています。そのため介護の仕事をしながらでも、すき間時間を上手く使えば、資格取得のための学習を進められるでしょう。

防災介助士の資格は更新が必要?

防災介助士の資格の有効期限は3年間。そのため、期限までに更新手続きを行う必要があります。更新料は、3,300円(税込)です。有効期限が過ぎてしまうと、資格が失効するので注意してください。ただし、資格有効期限の1ヶ月前を目安に同財団から更新手続きの書類が届くので、知らないうちに失効してしまうという心配はないでしょう。

防災介助士の知識とスキルは介護現場で役立つ

災害大国かつ超高齢社会である日本。誰一人取り残さない防災を可能にするには、避難行動要支援者の介助に特化した防災介助士の存在が欠かせません。また防災介助士が有する知識とスキルは、日々の介護現場でも大いに役立ちます。ぜひ防災介助士の資格を取得して、利用者さんに頼られる介護スタッフを目指しましょう。

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