認知症介護基礎研修eラーニングとは?義務化の理由や費用について

2021年度より義務化された「認知症介護基礎研修」は、認知症介護に携わるすべての方が習得しておきたい基本的な知識と技術を身につけるために行う研修です。医師や看護師、介護福祉士など資格を保有している方は、受講を免除されるケースもあります。この記事では、認知症介護基礎研修eラーニングで、どういったことを学ぶのかといった基本情報や義務化の理由、受講方法、費用などについて見ていきましょう。

認知症介護基礎研修eラーニングの基本情報

まずは、認知症介護基礎研修eラーニングの基本情報について紹介します。

そもそも認知症介護基礎研修とは?

認知症介護基礎研修はもともと、2001年から全国で始まった「認知症介護実践者等養成事業」に組み込まれた、介護初任者を対象にした研修でした。認知症の方への介護専門職員を養成し、介護を充実させる目的で行われたのです。

その後、2021年度の介護報酬改定を機に、認知症介護基礎研修が義務化されました。受講対象者は、これから介護職に就く方や無資格の介護スタッフなど。現在は経過措置期間のため受講は努力義務になっていますが、2024年4月からは完全義務化されます。

どんなことを学ぶ?

認知症介護実践者等養成事業での研修は、対象者によっていくつかの研修が設けられています。その中でも認知症介護基礎研修は、認知症介護の基本を学ぶ入門的な内容です。

1日でカリキュラムが完了し、受講すれば修了試験などもなく受講証明書が発行されます。具体的な受講内容は以下の通りです。

◆認知症の方を取り巻く現状
◆具体的なケアを提供する際の判断基準となる考え方
◆認知症の方を理解するために必要な基礎的な知識
◆認知症ケアの基礎的技術に関する知識と実践上の留意点

受講時間はトータルで6時間ほど、研修内容もわかりやすく難易度は低いと言えるでしょう。

義務化の背景

日本では高齢化のスピードが加速しており、高齢化に伴い認知症になる方も増えています。そのため、介護需要が高まるのはもちろんのこと、認知症の利用者さんが増えることも容易に想定できるでしょう。

どれだけ介護に精通している介護スタッフであっても、認知症の方へのケアは一般の利用者さんへの方法とは異なり、ケア方法に悩んでしまう場合も。ましてや、初めて介護職に就いたスタッフとなると、認知症の利用者さんへのケアに戸惑ってしまうでしょう。

そこで、未経験の介護スタッフに対して、認知症の利用者さんへの理解を深めてもらい、介護の質を高めるために義務化されたのです。

eラーニングはどこで受ける?費用は?

ここからは、認知症介護基礎研修eラーニングの受け方や費用について見ていきましょう。

eラーニングの受講方法

eラーニングのため、基本的にはインターネットを使った学習スタイルを採用しています。動画を視聴して確認テストを受け、合格したら次の学習に進むスタイルです。ただし、主催団体によっては集合型研修を行うケースもあります。

また、eラーニングと集合型研修を組み合わせた方式を採用している団体も。さまざまなパターンがあるため、気になる点がある方は、受講予定の団体に直接問い合わせることをおすすめします。

実施団体について

実施団体は、「社会福祉法人東北福祉会認知症介護研究・研修仙台センター」と、その他の団体の大きく2つに分かれます。自身の自治体での受講先を確認したい方は、「社会福祉法人東北福祉会認知症介護研究・研修仙台センター」のサイトの<実施団体について>という項目で、問い合わせ先を確認できます。

費用について

受講費用は実施団体によって異なりますが、先ほど紹介した仙台センターを指定している自治体の場合は、受講者ごとに3,000円(税込)がかかります。銀行振込やクレジットカード決済などが可能です。

仙台センター指定ではない自治体の場合は費用が異なるため、実施団体に直接問い合わせましょう。

まとめ:受講対象の方は早めに受講しよう

認知症介護基礎研修eラーニングは、今のところ受講しなくても問題はありません。しかし、完全義務化された後に受講していない場合は、介護事業者が行政指導の対象になります。介護に携わる以上、認知症の利用者さんとの関わりは避けられません。受講対象の方は、丁寧なケアや配慮ができるように早めに受講しておきましょう。

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