新人訪問看護師さんにインタビュー!利用者さんの暮らしに寄り添う看護の魅力とは?

利用者さんの居宅を訪問し、医療ケアを含めたサービスを提供する訪問看護病気や障害があっても、慣れ親しんだ自宅で暮らしたい…そんな利用者さんの願いに寄り添うことができる仕事です。
今回は病院勤務の看護師から、広島市にある「訪問看護ステーションかがやき」の訪問看護師に転身したお二人にインタビューしました。入職して1ヶ月弱、どのようなことを感じながら働いているのでしょうか。訪問看護師の仕事に興味のある方や転職を考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。

※インタビュー実施日:2022年7月

今利萌(いまり・もえ)さんプロフィール
看護師。病院(脳外科、整形外科)に6年間勤務したのち、2022年6月から「訪問看護ステーションかがやき」(広島市安佐南区)勤務。
和田佳奈子(わだ・かなこ)さんプロフィール
看護師。病院(消化器内科、外科)に4年間勤務したのち、2022年6月から「訪問看護ステーションかがやき」(広島市安佐南区)勤務。

訪問看護師になった、きっかけや経緯は?

和田さん:以前は、急性期の病棟で勤務していました。つぎつぎと患者さんが救急車で搬送され、24時間帰宅できないこともあり…かなりハードな職場でした。次第に「もっと、患者さん一人ひとりと時間をかけて関われる仕事がしたい!」と思うようになり、訪問看護師に転職しました。

今利さん:私も以前は急性期の病院で看護師をしていました。訪問看護に転職したのは、結婚を機に夜勤に入れなくなったことがきっかけです。訪問看護は経験したことがない仕事だったので不安でしたが、教育体制が整っていたことが今の勤務先を選ぶ決め手になりました。慣れるまで先輩スタッフさんに同行させてもらえるなど、手厚いサポートもあったので、とても良かったです。和田さんのような、なんでも相談できる同期スタッフがいるのも心強く思っています。(笑)

訪問看護の実際の仕事内容は?

和田さん:利用者さん宅を訪問したら、必要に応じてバイタル(脈拍など)をとったり、点滴をしたり、入浴介助をしたりして、会話をしながら体調をチェックします。所要時間は1件につき、30分~1時間くらいですね。
訪問の頻度は、利用者さんの状態によって、毎日の方もいれば、週一、月一の方もいます。ご本人やご家族の方とお話ししながら、「前回と変わっているところはないか?寝起きはできているか?布団はたためるか?お部屋の衛生状態は?」など、いろんなことを観察して、iPadに細かく記録します。これは、利用者さんの状態と生活環境を、医師やケアマネジャーなど他職種の方と共有するためです。

iPadの記録画面

今利さん:私は、訪問看護の仕事は“看護の応用編”だと思っています。病棟なら医師に相談することができますが、訪問看護は利用者さんのご自宅に一人で伺うので、自分だけで判断しないといけない場面が結構あるんです。どんなことが起きても対応できるように、必要な器具は一式持っていきますし、応用力や対応力が試される仕事だと思います。

お二人がふだん持ち歩いている愛用の器具

今利さん:また、病院では「治療」が目的ですが、訪問看護は「現状維持」と「療養」が目的なので、自然と患者さんの「生活を支える」という役割になります。ふだんどんな環境で生活されているのか?療養しているのはベッドなのか布団なのか?ご家族の介護負担はどのくらいか?など、その方の暮らしをしっかり観察する必要があります。

また、一人の利用者さんを、複数のスタッフで担当するのも、訪問看護の特徴だと思います。一人の目では見落とすこともあるし、慣れてくると逆に見えなくなることも多いんです。利用者さんを複数の目で見て情報を共有することで、見落としや医療ミスを防ぐ目的もあります。

訪問看護の仕事のやりがいとは?

今利さん:病棟看護師としての経験しかなかったので、訪問看護師という仕事を始めたときは、環境や考え方の違いに戸惑いました。でも今は、利用者さん一人ひとりに寄り添った看護を提供できて、とてもやりがいを感じています。
特にうれしいのは、ご本人やご家族との信頼関係ができて、いろんな相談をしてもらえる時ですね。あるとき、病気のため急に介助が必要になった利用者さんがいらっしゃいました。急なことで、ご家族は介助の方法が分からず不安に思われていたため、「食事の時はこうすると嚥下しやすくなりますよ」など、アドバイスしたらとても喜んでいただけました。

和田さん:やりがいを感じるのは、やはり利用者さんの暮らしに1:1でじっくり関われることですね。病院だと起床~消灯まで時間や規則が決まっていますが、訪問看護は基本的に訪問先の生活リズム、生活習慣に従います。また、そのご家族ならではのやり方があったりするので、「正しいやり方」というのはありません。なので、訪問看護は臨機応変に対応することが求められる仕事だなと実感しています。
訪問先のご家族やご本人から「来てくれてうれしい」「いつもありがとう」って声をかけていただくことがあって、そういう時はすごくうれしいですね。訪問看護は、利用者さんと密に話をすることができるので、その方が何に困っていて、療養中どのようなことが不安なのかをしっかり聞くことができるため、とても素敵な仕事だなと思います。

これからの目標や取り組みたいことは?

今利さん:訪問先でどんなことがあっても、どんな相談を受けても、対応できるように経験を積みたいです。
同じ事業所(訪問看護ステーションかがやき)内に、憧れの先輩スタッフさんがいるんです。いつも元気でニコニコされていて、利用者さんからもご家族からも信頼されています。いつかその方のように、私が訪問することで安心感を与えられるような看護師になりたいです。

和田さん:利用者さんに「来てくれてうれしい」と思っていただけるような看護を提供することを目標にしています。そのためには、必要な医療の知識も身に付けていきたいです。利用者さんの状態を分析するには、医療の知識が欠かせませんから。

これから訪問看護の仕事を目指している方や、興味を持っている方へのメッセージ

今利さん:訪問看護は、仕事を通して自分自身も成長することができ、やりがいも感じることができる仕事です。利用者さん一人ひとりを看る力だけでなく、視野も広がります。特にコロナ禍の今、病院は面会制限があるため、自宅療養を希望する方が増えています。在宅なら慣れ親しんだ環境で過ごすことが可能です。なので、訪問看護のニーズは今後も増えていくと思います。

和田さん:訪問看護師として利用者さん宅に伺うようになって、「こんな人になりたいな」「こんな家族って素敵だな」と思う機会が増えました。訪問看護は大変な仕事だと思われがちですが、その人の生活を支えることができ、たくさん感謝されることもあるので、とてもやりがいのある仕事だと思います。

新人訪問看護師さんのインタビューを終えて

病棟看護師から、訪問看護師へと転職されたお二人のリアルな声はいかがでしたか?新しい環境に飛び込んで、やりがいや学びを得ながら働いていることを楽しそうに語る、お二人の姿が印象的でした。訪問看護は、これまでに培った看護経験を活かしながら挑戦できる仕事です。訪問看護師への転職を考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。

【訪問看護ステーションかがやき】

所在地広島市安佐南区祇園2-47-8
電話番号082-875-6752
対応エリア広島市(中区、東区、西区、安佐北区、安佐南区)
公式サイトhttps://www.lsi-kk.co.jp/

★2022年9月1日、広島市南区仁保新町に「訪問看護ステーションかがやき南」オープン!

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