看護師のオンコール勤務とは?過ごし方や待機手当、ストレス解消法を紹介

24時間体制で利用者さんのケアを行う有料老人ホームや特別養護老人ホームなどでは、医師や看護師が必ずしも常駐している必要はありません。その代わりに、夜間や休日など看護師がいないタイミングに、持ち回りでオンコール勤務をすることがあります。求人票に「オンコール勤務あり」などと記載されていることも。今回の記事ではオンコール勤務について解説しているので、どんなものなのか詳しく確認していきましょう。

看護師のオンコール勤務とは?

看護師のオンコール勤務について押さえていきましょう。

オンコール勤務は緊急時に備えた待機のこと

オンコール勤務は、看護師が常駐していない時間帯に緊急事態があった場合にすぐ対応できるよう待機しておく勤務形態を指します。職場によっては、「待機」や「電話当番」などという名称で呼ばれることもあるでしょう。24時間対応している介護施設などずっと看護師を配置しておくのが難しい場合に、オンコール対応しているケースが多いようです。

オンコール勤務の際は、自宅にオンコール用の携帯電話を持ち帰り、何かあったときに駆けつけられるようにしておくのが基本。万が一電話に出られなかったときに備え、メインとサブの2人体制のところもあります。ただし、電話がかかってきたからといって必ずしも出勤するとは限らず、電話のみで解決することもあるでしょう。

ただし、オンコール勤務をする方は、職場の近くに住んでいなければなりません。出勤に時間がかかる場合は、当直室で待機の可能性もあるでしょう。

通常勤務の前後に割り当てられることが多い

勤務体制は働く施設により異なりますが、通常勤務の前後にオンコール勤務が割り当てられるケースが多いようです。オンコール勤務の翌日は代休が認められていたり、時差出勤できたりという施設もありますが、通常勤務のあとにオンコール勤務し翌日も通常勤務ということもあるでしょう。転職する施設を探しているなら、どのような形でオンコール勤務が行われているか確認しておくことも大切です。

オンコール勤務中の看護師の過ごし方は?

オンコール勤務中の看護師の過ごし方は、基本的に普段通りです。しかし、以下のような注意点もあります。

携帯電話は手放せない

オンコール勤務中は、どんなタイミングでも電話に出られる状態にしておきます。肌身離さず携帯電話を持っておく、もしくは鳴ったときに気づける場所に置いておくなどの対策をすると良いかもしれません。また、会社から支給されたオンコール用の携帯電話の操作方法を一通り理解しておき、近場であっても映画館など携帯電話の電源を落とさなければならない場所にはいかないようにしましょう。

いつでも出勤できる状態にしておく

オンコール勤務の際に電話がかかってきて出勤になる可能性も十分にあります。「30分以内に駆け付ける」などの決まりが設けられている施設もあるので、いつでも出勤の準備ができるような状態で過ごすのが基本です。必要な荷物をまとめておくなどして、すぐ出られるように準備しておきましょう。

遠出や飲酒はできない

オンコール勤務中は外出してはいけないというわけではありませんが、目安として勤務先に30分以内には到着できる場所にいる必要があります。オンコール勤務中の遠出は避けておいた方が賢明でしょう。さらに、オンコール勤務中には医療にまつわる判断が求められることもあります。判断能力が損なわれないよう、飲酒も避けておきましょう。

オンコール勤務の待機手当や回数はどれくらい?

オンコール勤務は仕事をしているわけではないため、給与は発生しません。その代わりにオンコール手当や待機手当という名目で手当が支給されます。オンコール手当の額は、職場により異なりますがオンコール勤務1日当たり1,000円~2,000円ほどのところが多いよう。メイン担当とサブ担当がいる場合は、メイン担当のオンコール手当の方が高く設定されているのが特徴です。急遽出勤になった場合は、出勤した分の給与が時間外扱いとして支給されます。

また、オンコール勤務の回数は、職場や対応できるスタッフの人数により差があるでしょう。勤務する看護師が持ち回りで担当するケースがほとんどなので、看護師の人数を30で割ると、1ヶ月当たりのオンコール勤務のおおよその頻度が把握できます。転職する施設を検討している場合は、面接時にオンコール勤務についても確認しておくと安心です。

オンコール勤務のストレスを軽減する方法は?

オンコール勤務中は普段通りに過ごせる分、職場に常駐するよりも自由度は高めです。しかし、職場からいつ呼び出されるか分からない状態のため、寝れない、家にいても何も手につかないなど、ストレスを感じる方もいるでしょう。ストレスを最小限に抑えられるよう、オンコール勤務時の過ごし方を工夫する必要があります。

例えば、普段晩酌をしているなら、ノンアルコールドリンクで晩酌気分を味わうのもいいでしょう。家族と一緒に暮らしている方は、家事や子どものお世話などを協力してもらえる体制を整えておくと、余計なストレスを減らせます。

睡眠中にも電話が鳴るかもしれないというプレッシャーで、眠りが浅くなる、寝れないといった方もいるでしょう。睡眠の質を高めるためにも、寝る前のカフェインは避ける、自分に合った寝具を使うなど、睡眠環境を整える工夫も大切です。

オンコール代行サービスを利用する介護施設もある

オンコール勤務の負担を解消するため、オンコール代行サービスを利用している介護施設もあります。看護師などの有資格者が電話の一次対応を担当するため、現場のスタッフの負担はほとんどありません。オンコール勤務を負担に感じるなら、オンコール代行サービスを利用している施設への転職を検討するのもひとつの方法でしょう。

介護施設のオンコール勤務について理解しておこう

看護師のオンコール勤務は、夜間に看護師がいない施設にとって重要な役割を担います。オンコール手当がつくため、給料を増やしたい看護師にはメリットのひとつになります。しかし、オンコール勤務は職場の外にいても緊張感がある、生活が不規則になるなどの理由からストレスに感じる方も少なくありません。オンコール勤務の有無もきちんと確認し、納得したうえで働く施設を探すことも大切です。

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