ソーシャルワーカーとケアマネジャーの違いは?仕事内容や資格、給与を比較

介護福祉業界で活躍する、ソーシャルワーカーとケアマネジャー。現役のケアマネジャーやケアマネジャーを目指す方の中には、ソーシャルワーカーに興味を持つ方も少なくないようです。そこで今回は、ソーシャルワーカーとケアマネジャーの違いについて、仕事内容や資格、給与などさまざまな観点から解説していきます。

ソーシャルワーカーとケアマネジャーの違いは仕事内容にあり!

ソーシャルワーカーとケアマネジャーは、仕事内容に違いがあります。それぞれの仕事内容について、確認していきましょう。

ソーシャルワーカーの仕事と活躍の場

ソーシャルワーカーとは、生活相談員の総称。介護だけでなく医療や福祉、教育などの現場で問題や悩みを抱える方の相談に乗り、必要に応じて関連機関への連絡や調整を行うのが仕事です。問題を解消するために使える制度やサービスを検討し、サービスを受けるための橋渡しをします。

働く場所により呼び名が変わるのも、ソーシャルワーカーの特徴です。介護施設であれば生活相談員や支援相談員と呼ばれるケースが多いよう。利用者さんやその家族の相談援助や入退所の手続きといった介護施設の窓口としての役割を担います。

ケアマネジャーの仕事と活躍の場

ケアマネジャーの正式名称は、介護支援専門員。要介護・要支援認定を受けた利用者さんのケアマネジメントを行うのが仕事です。具体的には利用者さんや家族からの相談を聞く、希望に沿った介護保険サービスの提案する、利用者さんのケアプランを作成するといった業務が挙げられます。

ケアマネジャーが働く場所は、居宅介護支援事業所や介護保険施設、有料老人ホームなど。利用者さんの家族とサービス事業所をつなぐ調整役として働くのがケアマネジャーの役目です。

ソーシャルワーカーとケアマネジャーの必須資格の違いは?

ソーシャルワーカーとケアマネジャーの必須資格にも違いがあります。

ソーシャルワーカーに必要な資格

ソーシャルワーカーは、一般的に社会福祉士という国家資格を保有して働く方を指します。社会福祉士の就業先は幅広く、ソーシャルワーカーの代名詞のような資格です。2023年の社会福祉士国家試験の合格率は44.2%と、簡単に取得できる資格ではないでしょう。また、受験資格を得るためには、福祉系大学で指定科目を履修する、一般養成施設で学ぶなどの要件を満たさなければなりません。ほかにも、障がい者福祉分野なら精神保健福祉士、公務員として社会福祉に関わる社会福祉主事といった資格を有しソーシャルワーカーとして活躍している方もいます。

資格がなくても働けるケースもありますが、ソーシャルワーカーには法律や制度など専門性の高い知識が必要です。そのため、資格の保有を応募条件にしている求人も多い傾向にあります。

ケアマネジャーに必要な資格

ケアマネジャーとして働くには、介護支援専門員の資格が必要です。介護支援専門員の受験資格には、医療や介護の国家資格を取得しており、それに準ずる業務経験が5年以上かつ900日以上という条件を満たさなくてはなりません。2023年の介護支援専門員試験の合格率は21.0%となっており、介護資格の中でも難易度は高めです。

また、介護支援専門員試験を突破にしたあとは、介護支援専門員実務研修を受ける必要があります。

ソーシャルワーカーとケアマネジャーの年収の違いは?

ソーシャルワーカーとケアマネジャーの年収の違いを見ていきましょう。厚生労働省が提供している職業情報提供サイト「jobtag」によると、福祉ソーシャルワーカーの平均年収は415.7万円です。それに対してケアマネジャーの平均年収は405.8万円となっています。勤務先や就業年数によっても違いがあり一概には言えませんが、ソーシャルワーカーの方がケアマネジャーよりも若干年収が高い傾向にあるようです。

ソーシャルワーカーとケアマネジャー、どちらがおすすめ?

ソーシャルワーカーとケアマネジャーの違いを理解したところで、最後にそれぞれ向いている方を見ていきましょう。

ソーシャルワーカーに向いているのは、社会福祉に関わる仕事がしたい方。とくに社会福祉士の資格を保有していれば、介護はもちろん医療や教育など幅広い仕事に携わることができます。試験の合格率はケアマネジャーよりも高く、国家資格であるため目指す価値はあるでしょう。

一方ケアマネジャーは介護を専門とした仕事です。介護施設のリーダー的ポジションとして利用者さんに関わっていきたいなら、ケアマネジャーがいいでしょう。試験を受けるには実務経験も必要で難易度も高いですが、その分やりがいは十分。中にはソーシャルワーカーを経験してケアマネジャーを目指す方もいるようです。

ソーシャルワーカーとケアマネジャーの違いを理解しよう

社会福祉全般についての相談援助を行うソーシャルワーカーに対し、介護保険法に基づき要介護・要支援者をサポートするケアマネジャー。介護福祉サービスに関わる仕事という点は同じですが、業務内容にはそれぞれ違いがあります。ケアプランを扱うときなど、ケアマネジャーとソーシャルワーカーが連携するケースもあるでしょう。両者の違いをきちんと理解して、業務に取り組んでいきましょう。

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