インテークとは?アセスメントとの違いやコツを紹介

介護現場におけるインテークとは、主にケアマネジャー(介護支援専門員)が行う初回面接のこと。ケアマネジャーは、介護を必要としている方が介護保険サービスを利用できるように、ケアプランや各種サービス業者との調整を担っている職業です。

そんなケアマネジャーが行っているインテークについて、くわしく知らないという方もいるでしょう。そこで今回は、介護現場でのインテークの意味や、同じような意味で混同しがちなアセスメントとの違いについて紹介します。インテークの際に気をつけるポイントやコツについても見ていきましょう。

【簡単に解説】インテークとはどういう意味?

「インテーク」とは、ケアマネジャーが介護を必要としている方やそのご家族と初めて行う面接のことを言います。一般的には、40分から50分ほどの時間を要しますが、場合によってはそれ以上の時間がかかるケースもあるでしょう。インテークという言葉は精神科など医療の分野でも使われています。
インテークを行う主な目的は、介護を必要としている方やそのご家族の現状を把握することです。どのようなケアプランを作成することが相談者さんのためになるのか、考えながら情報収集します。

多くの場合、相談者さんは、初対面のケアマネジャーに自分や家族の悩みを話さなければなりません。不安や緊張の中で悩みを相談してもらうには、インテークによって信頼関係を築く必要もあります。

混同しがちなアセスメントとの違いは?

インテークと同じような意味をもつ、アセスメントという言葉があります。インテークは初回面談のことですが、アセスメントは利用者さんがサービスを利用している期間中に、繰り返し行われる面談のことです。アセスメントは、実施中のケアプランを評価・ブラッシュアップすることを目的に、利用者さんの身体の状態や環境の変化などに応じて何度も行われます。

インテークの際に気をつけるべきポイントとは?

インテークは、介護現場においてさまざまな情報を得る第一段階です。介護を必要としている方やそのご家族が、ケアマネジャーを信頼してさまざまな問題が話せるような環境作りをしなければなりません。ここでは、インテークの際に気をつけたいポイントを見ていきましょう。

身だしなみのチェック

社会人として当たり前のことですが、まずは、清潔感のある服装や髪型かどうかをチェックしてください。あまりにラフな格好でインテークに参加すると、相談に来られた方が「この人に相談しても大丈夫だろうか…」と不安になってしまうかもしれません。

初対面の方にいろいろと踏み込んだ相談をしなければならないのに、信頼できるケアマネジャーかどうか疑問を持ってしまうと、必要な相談が受けられなくなってしまう可能性も。

自己紹介と役割について話す

こちらも基本的なことですが、インテークに入る前に、しっかり自己紹介をしておきましょう。自己紹介の際は名前や施設名だけでなく、ケアマネジャーがどんなことをする仕事なのかも合わせて説明してください。

相談者さんの中には、ケアマネジャーがどのような仕事をするのか知らない方も多いです。どんな役割があって、相談者さんのためにどんなことをするのかを明確にしてあげましょう。

電話応対

インテークは、面前で行う場合もあれば電話で行うケースもあります。電話で行う際は、お互いの表情がわからないため、面前で行うインテークよりもさらに丁寧に行う必要があるでしょう。

専門用語を使わない

どんな職業でも言えることですが、自分が普段使っている用語は専門用語で、一般の方は知らないケースがほとんどです。どんな方でも理解できるように、専門用語やわかりづらい言葉は使わないように心がけましょう。

インテークを成功させるコツは?

最後に、インテークを成功させるコツについて解説します。

事前準備をする

相談者さんの話を聞いていくと、相談者さんが話すばかりになって、結局聞きたいことが聞けなかったということも。そういったことを防ぐために、必ず確認しておきたい項目を決めておくなど、事前準備をしておきましょう。

情報を正確に把握する

ケアマネジャーがインテークを行う目的は、利用者さんに最適な支援を行うために、情報収集しケアプランを立てることです。そのためには、介護を必要としている方やそのご家族が抱える問題、内容の緊急性などを正確に把握する必要があります。

相談者さんの声にしっかり耳を傾け、聞きもらさないようにメモを取るようにしましょう。また、相談者さんを急かしたりしないようにしてください。急かしたつもりがなくても、「話をしっかり聞いてもらえなかった」と相談者さんが感じてしまうと、今後重要なことを話してもらえなくなる可能性があります。

そうすると適切なケアプラン作成ができないばかりか、相談者さんに迷惑をかけてしまうことになるでしょう。どんなに忙しくても、インテークの際は丁寧に話を聞くことが鉄則です。

インテークの所要時間をある程度決める

丁寧に話を聞くことは大切ですが、最初に所要時間をある程度決め、それを相手に伝えておくことも必要でしょう。悩みの相談に夢中になって、時間ばかりが過ぎていくこともあります。インテークの時間は悩み相談の時間ではあるものの、ケアプラン作成のために行う情報収集の時間であることも忘れてはいけません。

ある程度時間が決められていると、相談者さんもできるだけ脱線しないように話そうと心がけるはずです。いろいろ話してくれることはありがたいことですが、注意しましょう。

共感しつつほど良い距離感を保つ

一般的に、人は相談相手に共感してもらいたいものです。共感して自分を受け入れてくれる人にはいろいろと話そうとしてくれるため、相談者さんが困っていることや不安に思っていることなどをスムーズに聞き出すことができます。

ただし、感情移入してしまうと冷静な判断ができなくなるため、寄り添いつつも客観的な立場で話を聞くようにしましょう。

隠れているニーズはないかチェック

インテークでどんなに良好な関係を築けたとしても、相談者さんがすべての悩みを打ち明けているとは限りません。また、介護を必要としている方のご家族の中には、現状に慣れてしまい、自分たちが困難な状況に陥っていることに気づいていない方もいます。

相談者さんの雰囲気や表情、家の様子などさまざまなことに目を配り、隠れている問題やニーズがないかをケアマネジャー自らが考えるようにしてください。

インテークはケアプラン作成に欠かせない重要な作業

インテークは、ケアプランを作るためにとても重要な役割を持っています。改めてインテークの意味や大切さを理解し、インテークで注意したいポイントを振り返っていきましょう。インテークを成功させるコツを参考に、信頼されるケアマネジャーを目指してください。

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