介護現場で役立つ!高齢者スキンケア(老人性乾皮症など)対策の基礎知識

加齢により皮膚のバリア機能が低下することで生じる高齢者の皮膚トラブル。多くの介護施設でも高齢者の皮膚トラブル対策は大きな課題となっています。この記事では、老人性乾皮性といった高齢の方特有のスキントラブルについて詳しく解説。高齢者の皮膚の特徴から、起こりやすい皮膚トラブル、スキンケア方法までご紹介します。介護の現場で、高齢者のスキンケアに力を入れたい方はぜひ参考にしてください。

老人性乾皮性など、高齢者に生じやすい皮膚トラブルとは

高齢者が抱えやすいスキントラブルは、皮膚のバリア機能の低下により生じる「老人性乾皮症」。もうひとつは、オムツの着用により排泄物が長く皮膚に接触することで発生する「IAD(失禁関連皮膚炎)」が挙げられます。

高齢者の皮膚の特徴

高齢者の皮膚は、老化により角質層内の脂質が減少しています。脂質は角質層の保湿の役割をしているため、脂質が減るほど皮膚の水分量が減少。乾燥した皮膚はバリア機能が低下した状態となるため、外部からの刺激を直に受けやすくなり、老人性乾皮症やIADといった皮膚トラブルを招きやすくなります。高齢者の皮膚の特徴を踏まえた上で、介護スタッフとしてスキンケアを行っていくことが大切です。

介護スタッフが実践すべき高齢者のスキンケアとは

皮膚の乾燥によりバリア機能が低下している高齢者へ行うべきスキンケアとして挙げられるのが、洗浄・保湿・保護という3点のポイントです。
皮膚を清潔に保つために、まずは皮膚への刺激物、感染源を取り除く「洗浄」が必要となります。とくに、排泄物の付着によって生じるIADの予防では、洗浄が必須です。
続いては「保湿」をしましょう。介護の現場だけでなく、高齢者が療養する病院でも保湿は重要と考えられ、多くの看護研究の課題にもなっているようです。
さらに有効なスキンケア方法として、「保護」があります。オムツ内は、洗浄・保湿をしても頻繁に排泄物で汚染される場所です。すぐにオムツを交換できれば良いのですが、排泄したことを伝えにくいと感じる利用者さんも多く、多忙な介護現場ではきめ細かな対応が難しいかもしれません。そこで、撥水性のある保護クリームを活用することで、排泄物による皮膚刺激を和らげるスキンケアができます。これらのポイントを念頭に置いて介護現場でスキンケアを実践していきましょう。

介護でスキンケアが必須となる場面とは?

介護現場で高齢者のスキンケアをすべきタイミングとはどんな場面でしょうか。効率的に皮膚トラブル対策を行えるよう把握しておきましょう。

入浴後

高齢者の皮膚トラブル対策において、入浴後は保湿をする絶好の機会です。洗浄時は弱酸性など低刺激タイプの石けんを使用し、しっかりと泡を立て、強くこすらず優しく洗いましょう。拭くときは、タオルを押し当てて水分を取り除き皮膚への刺激を少なくします。保湿剤の浸透効果を得るために、入浴後10分以内に保湿をすることが望ましいです。

清拭後

入浴ができない方は清拭で肌の清潔を保ち、保湿を行います。清拭時は皮膚を刺激しないよう、なるべく優しく身体を拭くことが大切です。皮膚に残った水分が蒸発して乾燥するのを防ぐため、清拭後は乾いたタオルで軽く押さえるのがポイント。全身の水分を拭き取ったら、すぐに保湿しましょう。

オムツ交換時

排泄物の付着は皮膚へ強いダメージを与えてしまうため、オムツ交換ごとにぬるま湯のみで洗浄し、すぐに保湿を行います。過度な洗浄は良い菌まで流してしまうため、石けんの使用は1日に1回にとどめておきましょう。オムツ内の皮膚は排泄物の付着を繰り返しやすいので、保湿後は保護を目的に、撥水性のあるクリームを塗布することをおすすめします。

保湿の重要性は、介護スタッフだけでなくご家族への共有も大切です。市販の乾燥肌用のクリームなどを準備してもらい、全身を保湿していきましょう。クリームは伸びが悪いものもあるため、高齢者用の保湿ローションもおすすめです。ローションタイプなら効率よく全身に塗布することができます。

介護場面で行なうべきスキンケアを実践し、皮膚トラブルを防ごう!

介護スタッフとして知っておきたい、高齢者のスキンケア方法をご紹介しました。介護現場だけでなく病院でも、老人性乾皮症など高齢者の皮膚トラブルは大きな課題です。オムツ着用の利用者さんへは皮膚トラブル予防の看護計画立案が必須となっている病院も多くあります。介護施設においても高齢者のスキンケアは重要ととらえ、対策していきましょう。

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