レスパイトケアとは?サービスを活用して介護疲れを解消させよう

常に要介護者と向き合う生活が続く介護生活。24時間昼夜を問わず介護を必要とするケースもあり、夜も熟睡できない…という介護者が多く存在します。この記事では、介護者の休養を目的とする「レスパイトケア」について解説。保険適用のサービスから、自費利用できる便利なサービスまで詳しくご紹介します。利用者さんのご家族が“介護疲れ”になってしまう前に、レスパイトケアのサービスがあることを伝えられるよう、ぜひ参考にしてください。

レスパイトケアで得られる効果とは?

レスパイトケアとは、介護を担うご家族が一時的な休息を得られるようにすることを指します。公的サービスや家事代行などの民間業者を利用し、ひと時でも介護から離れる時間を作ることを目的とした介護者のためのケアです。

在宅介護を行っている介護者の中には、日々の介護負担のため、うつ病など精神疾患を患うケースも少なくありません。したがって、レスパイトケアは介護者の身体面・精神面の介護負担軽減だけでなく、介護の質を保つためにも重要と考えられています。

介護者の中には、「家族の介護を誰かに任せるなんて」「怠慢ではないか」「私だけ自分の時間を楽しむのは気が引ける」「介護を放棄していると思われたらどうしよう」と、レスパイトケア目的のサービスを利用せず、孤独に頑張ってしまう場合も。介護を頑張る方へ、レスパイトケアの大切さを理解してもらい利用を促すことも大切です。

レスパイトケアは介護者だけにメリットがあるように感じますが、介護を受ける側にとってもリフレッシュになります。日々介護をされることに引け目を感じている方も多いため、利用者さんと、そのご家族どちらにとっても心身ケア効果を得られるでしょう。

レスパイトケアで受けられる介護保険適用のサービスの種類とは?

介護保険が適用されるレスパイトケアのサービスは、訪問介護、デイサービス、ショートステイの3種類です。ショートステイは要支援1~要介護5が対象。そのほかのサービスは要介護1~5が対象になっているので、要介護認定を受けていればほとんどの方がサービスを利用できます。介護者のライフスタイルに合わせて、各サービスを活用できるよう内容を把握しておきましょう。

訪問介護(ホームヘルプ)とは?

訪問介護は自宅で決められた時間だけ、排泄や入浴介助、掃除や洗濯といったサービスを提供します。おむつ交換や着替え介助、体位交換や車いすへの移乗といった身体介護のほか、調理や洗濯などの生活援助、通院などで必要となる乗車・降車介助など、日々の介護生活で負担になっている場面をピンポイントに支援できるのが訪問介護です。1~2時間と短時間で気分転換をしたい方におすすめできます。

デイサービス(通所介護)とは?

主に朝から夕方まで要介護者を預かり、入浴やレクリエーション、リハビリなどを提供するのがデイサービスです。自宅への送迎も行うため、介護者は日中自分の時間を確保できます。宿泊もできる「お泊りデイサービス」を実施している施設もありますが、介護保険の適用とならないため全額自己負担です。施設により受けられるサービスが異なるので、利用者さんに適した施設を選んでもらうとよいでしょう。

ショートステイ(短期入所)とは?

ショートステイは最短で1泊から、最長30日間泊まりで利用できるサービスです。日にち単位で介護から解放される期間を設けられるため、介護者の高いリフレッシュ効果が期待できます。旅行に行きたいときや出張時、冠婚葬祭や体調不良など、一定期間介護が困難な場合にも活用できる便利なサービスです。

介護保険外のレスパイトケアのサービスとは?

介護保険だけで賄えない場合は、自費で利用できるサービスがあります。医療保険で利用できるレスパイトケアもあるので、ぜひ参考にしてください。

家事代行サービス

介護保険内でのサービスでは満足できない方には、民間業者が提供している家事代行サービスがおすすめです。炊事・洗濯・掃除だけでなく、話し相手や犬の世話、庭の手入れなど多岐に渡るサービスを行ってくれます。

訪問理美容サービス

要介護者が外出困難だけど、髪が切りたい!という方には、訪問理美容サービスがあります。理美容院から直接自宅へ訪問してくれるので、プロの方に髪を散髪してもらうことが可能。白髪染めやパーマなどさまざまなメニューに対応しているサービスもあるので便利です。

配食サービス

配食サービスを利用すれば、日々の食事作りから解放されるでしょう。配食専門の業者や、スーパー・コンビニなど多くの企業がさまざまなサービスを展開しています。トロミ付きや刻み食といった介護食を提供しているサービスもあるので、利用者さんに合わせた食事選びが可能です。

移送・送迎サービス

リフト付きの介護タクシーを利用すれば、通院や転院だけでなく、観光や墓参りなど余暇を楽しむための移動も楽に行えます。看護師・ヘルパーの同乗や、緊急時対応可能な場合もあるので、利用者さんに合った移送・送迎サービスを選んでもらいましょう。

レスパイト入院

医療保険で利用できるサービスに、レスパイト入院があります。在宅で医療機器を使用している、何らかの医療処置を要する場合など、常時介助を必要とする方が対象です。入院期間は病院により異なりますが、1~2週間という場合がほとんど。医療依存度が高く施設では対応が難しい方には、レスパイト入院という方法があることを念頭に置いておくとよいでしょう。

レスパイトケアサービスを活用して介護負担軽減を図ろう!

介護者だけでなく、介護を受ける側もリフレッシュ効果が図れるレスパイトケアは、在宅での介護生活に必須と言えるサービスです。介護うつといった精神疾患を防ぐためにも、レスパイトケアサービスが利用できることを伝え、適宜利用を促す声かけを行っていきましょう。状況に応じて、利用者さんと、そのご家族に寄り添った提案ができるよう心がけることが大切です。

この記事をシェアする