介護・医療用語「え〜お」で始まるワードを徹底解説

介護の現場は持病を抱えている利用者さんも多く、医療的な専門知識が求められることがあります。利用者さんの状態に合わせたケアを行うためにも、介護・医療施設などで働くうえで専門的な医療用語の意味をしっかり理解しておきたいものです。今回は、介護に携わる際に知っておきたい介護・医療用語「え~お」をまとめて解説します。略語もあわせて解説するので、介護現場で働いている方や、興味がある方はぜひ参考にしてくださいね。

「え」から始まる介護・医療用語一覧

「え」から始まる介護・医療用語をわかりやすく解説していきます。

エアーマットレス(エアーマット)

マットを空気で膨らませ、身体の同じ部位に圧力がかからないようにしたもの。床ずれ予防のために使われることがあります。エアーマットレスの素材はビニールやウレタンフィルムのものがありますが、吸湿性がないため、ベッドパッドと併用する必要があります。

ADL(エーディーエル)

Actibities of Daily Livingの略で、日常生活動作のこと。日常生活を送るうえで基本的な動作のことを指します。具体的には、食事や排泄、入浴などの身の回りの動作。部屋間の移動や家事などがあります。ADLは高齢者の方の日常生活レベルを測るためのひとつの指標です。

AED(エーイーディー)

自動体外式除細動器のこと。心停止状態の人に電気ショックを与えられる器具。学校や医療機関などさまざまな場所に設置されており、一般の方も使用可能です。機械を起動させると自動的に指示が入る仕組みになっています。

エコマップ

利用者さんを中心に、人間関係や各種機関との相関関係を表した図のことで、生態地図とも呼ばれています。複雑な人間関係を一目で分かるようにしているため、ケアに活かすことができます。

壊死(えし)

身体の細胞や組織の一部が死んでいくこと。血液循環や神経の作用などに起きた障害が原因です。壊死の部分が小さいと吸収されることもありますが、大きいものは潰瘍になることもあります。

ST(えすてぃー)

言語聴覚士(Speech Therapy)のこと。言語に障害がある方に対して日常生活で必要な機能を向上させるリハビリテーションを行います。また、飲み込みが難しい嚥下障害の方に対しては、安全な飲み込み方や食事の姿勢を指導します。

壊疽(えそ)

四肢の血液循環障害や重度の感染などによって、抹消組織が壊死し、黒や黄色に変色した状態のこと。命に関わる病気に繋がることもあり、壊疽部分を切断しなくてはならないこともあります。

エビデンス

証拠や裏付け、科学的根拠の意味。医療や介護現場だけでなく、ビジネスシーンにも幅広く用いられています。医療分野においては、薬や治療法に効果があると結論づけられた科学的根拠や結果のこと。また、会議や介護の記録などを表現することもあります。

Fx(Fracuture)

骨折を意味する略語。高齢者の方は転倒しただけで骨折することがあるため、移動の際には注意が必要です。

MRSA(えむあーるえすえー)

黄色ブドウ球菌のこと。ヒトや動物が気管や鼻腔などに有している菌で、健康な人には無害ですが、高齢者の方が感染すると重症化する原因になります。施設で働くスタッフは定期的な手洗いやうがいができていれば問題ないと言われています。

嚥下(えんげ)

口の中に入れた飲食物を口腔と咽頭の共同運動によって飲み込む行為。

嚥下困難(えんげこんなん)

病気や加齢によって嚥下に使う筋肉や神経に問題が起こり、飲食物をうまく飲み込めない状態のこと。誤って飲食物が肺に入ってしまうことで起こる病気もあります。

エンパワーメント

障害のある方やその家族が内発的な力を持ち、自立した生活を送れるようになること。

「お」から始まる介護・医療用語一覧

「お」から始まる介護・医療用語をわかりやすく解説していきましょう。

応益負担(おうえきふたん)

利用者さんの所得の高低に関係なく、提供サービスに応じた利用料金を払う必要があること。

嘔気(おうき)

胃の内容物を吐き出したくなる気持ちのこと。吐き気。嘔吐の前に起こる胸がむかむかするような症状をさします。

嘔吐(おうと)

胃の内容物を吐き出すこと。脳の病気によって嘔吐中枢が刺激され起こる中枢性嘔吐や、消化器・肝臓などの病気によって起こる末梢性嘔吐があります。ほかにも、ストレスやアレルギーなどが原因になることも。嘔吐後は脱水症状になりやすいため、飲み物による水分補給や点滴が必要です。

応能負担(おうのうふたん)

利用者さんの収入や扶養者の納税額に応じて、行政が費用負担額を決定すること。所得が高い方に対しては高い負担額を課すことで、所得の再配分をする働きがあります。

悪寒(おかん)

発熱の初期症状で、身体がゾクゾクと寒気を感じること。インフルエンザの代表的な症状の1つですが、まれに薬物などの科学的な刺激や肺炎、食中毒などが原因で起こることもあります。症状が長引く場合はかかりつけ医に相談が必要です。

OTC医薬品(オーティーシーいやくひん)

医師の処方する医薬品ではなく、薬局やドラッグストアなどで処方箋なしで買える医薬品のこと。2007年に名称が統一されるまでは大衆薬や市販薬と呼ばれていました。症状が軽い場合に使える医薬品です。

オストメイト

病気や事故によって腹部に人工肛門・人口膀胱(ストーマ)を装着している人のこと。適切にストーマを装着していれば排泄物が漏れることもないため、入浴も問題なくできます。

オートノミー

外部から影響を受けず、自分が決めた行動を取ることをさします。福祉業界では主体性を意味する言葉です。

オールド・オールド

65歳以上を高齢者とした場合、75歳以上の後期高齢者のこと。

お泊りデイサービス

日帰りで利用するデイサービスに宿泊サービスを追加したもの。近年では、特別養護老人ホームの空き不足を受け、日中のデイサービスを受けたあと宿泊する方が増えています。デイサービスとは異なり、介護保険は適用されないのが特徴です。

介護・医療用語を理解して現場に活かそう!

今回は「え~お」で始まる介護・医療用語を解説しました。語句から意味を推察できるものもあれば、知識がないと意味が分からない介護・医療用語もありましたね。介護施設はケアに伴う専門用語が頻繁に飛び交う場所です。一つひとつの用語をしっかり理解し、日々の業務に活用しましょう。

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