高齢者が安全にお餅を食べられる方法とは?3つの工夫術を紹介

日本の伝統的な食べ物といえば、お餅を連想する方も多いですよね。特にお正月は、お餅を食べる機会が増えますが、それとともに高齢者さんが詰まらせて緊急搬送されたとのニュースも多く耳にします。
そういったリスク回避のために、高齢者さんにはお餅を食べさせないのも手ですが、それでは味気ないもの。そこで今回は、高齢者さんでも安全かつ美味しくお餅を食べられる工夫術を紹介します。

高齢者さんがお餅を詰まらせる原因とは?

そもそも高齢者さんはなぜ、お餅を詰まらせてしまうのでしょうか?原因を見ていきましょう。

嚥下機能が低下するため

高齢になると、咽頭や喉頭の器官の神経や筋肉が衰えてきます。これにより食べ物を口から胃へ運ぶ動作(嚥下反射)が弱くなり、飲み込みにくくなったり、誤嚥が起こりやすくなったりするのです。

唾液が少ない&咀嚼力が弱くなるため

高齢になり口の中が乾燥したり噛む力が弱くなったりすると、粘り気の強いお餅が喉に張り付いてしまうことがあります。喉に張り付いたとしても、排出できれば問題はありません。しかし高齢者さんは咳込んで出す力も低下するため、お餅が詰まると危険な状態になりやすいのです。

高齢者さんでもお餅を楽しめる工夫術3選

前述したとおり、高齢者さんがお餅を食べるのには確かにリスクがあります。しかし工夫次第では、高齢者さんでも安全に美味しくお餅を楽しめるのです。ここからは高齢者さん向けの餅メニュー工夫術を3つ紹介します。

高齢者さん向け餅メニューの工夫術1:餅の調理方法や食べ方を変えてみる

お餅は粘り気が強く、飲み込みにくい食材です。特に大きいサイズのお餅は、詰まりやすくなるため、食べやすいよう小さくカットすると良いでしょう。焼いたものより汁物にするほうが、咀嚼しやすくなります。また大根おろしをまぶして食べると、お餅の表面の粘着性を軽減できるようです。さっぱりとして食べやすくなるので、食欲のない方にも喜んでもらえるかもしれませんね。

高齢者さん向け餅メニューの工夫術2:もち米以外の食材で代用餅を作る

一般的なお餅の原材料はもち米です。もち米はお米に比べ粘性が強いので、もち米の代わりに代用食材を使えば、お餅特有の粘り気を抑えられます。おすすめの代用餅の作り方は下記の通りです。

<豆腐×白玉粉>
豆腐と白玉粉で作ったお餅は、歯切れが良くやわらかい仕上がりになります。作り方は、白玉粉と絹ごし豆腐を1:1で混ぜてこね、茹でるだけです。茹で時間を長めにしたり、サイズを小さくしたりすれば、より食べやすくなりますよ。

<豆腐×片栗粉>
豆腐と片栗粉のお餅は粘り気やコシが出るため、お餅っぽさが強くなります。豆腐×白玉粉のお餅では物足りないと言われる高齢者さんに試してみてもらうと良いですね。

<じゃがいも×片栗粉>
じゃがいももお餅の代替えとして利用できる食材です。しかし芋だけだとお餅らしさが出ません。そのため、片栗粉を加えてお餅特有の粘り気を再現しましょう。チーズを入れたりみたらしソースをかけたりとアレンジすれば、いろいろな味のバリエーションを楽しめます。

<大根×片栗粉>
噛み切りやすいお餅を作りたいときは、大根おろしを活用しましょう。大根臭さがないのかと不安になりますが、不思議と大根の香りはせず、美味しいお餅になります。介護施設で振る舞うのなら、大根をすりおろす過程を利用者さんたちにも挑戦してもらうと、楽しみながら食べられるでしょう。

高齢者さん向け餅メニューの工夫術3:介護食のお餅を活用する

手軽に高齢者さん向けの餅メニューの工夫術を試したい方は、市販の介護食餅を利用しましょう。介護食餅は高齢者さんが食べやすいよう、お餅に工夫をして作られています。商品によって特徴は異なりますが、粘り気を抑えていたりサイズを小さくしたりしているものが多いようです。

高齢者さんが食べるお餅は、工夫次第で安全餅になる

嚥下機能や咀嚼力が低下した高齢者さんにとって、お餅は食べたくても食べられない食材になってしまいます。しかし高齢者さんが食べやすいようにお餅を工夫すれば、詰まらせたり誤嚥したりしにくくなり高齢者さんも安心してお餅を食べられるはず。高齢者さんが安全に食べられるお餅料理を作って、楽しく安心できる食事の時間を過ごしてもらいましょう!

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