介護職としての心得って?活躍する・求められる人材になるには?

高齢者介護を行う介護職としての心得には、どのようなことがあるのでしょうか?利用者さんの要望に応える優しい介護スタッフも必要ですが、利用者さんのためにならないケースも。利用者さんができることは、やってもらうように促す介護スタッフのほうが、利用者さんのためになるのではないでしょうか。今回は、介護職を目指す方や現在介護職に就いている方に向け、介護職としての心得や、活躍できる・求められる人材になるために必要なことを紹介します。

介護職で忘れてはいけないこと

そもそも介護とは、高齢者や介護を必要とする方の食事や入浴などの介助をしたり、自立を支援したりすることを指します。こういった介護のサポートをする方々を介護職員と呼び、介護福祉士やケアマネジャーなどもその一種です。

ここで忘れてはいけないことは、介護は高齢者の希望や夢を叶える仕事だということ。介護では、利用者さんの選択によって、保健医療サービスや福祉サービスが受けられることが特徴です。どんなサービスを受けるのかは、利用者さん本人とその家族が介護・看護の専門家と話し合って決定します。

ケガをして介護を必要としている利用者さんの場合、ケガの療養を行いながら寝たきりにならないようにリハビリプランを考えるのが一般的です。介護職としての心得の基本として、利用者さんへの思いやりの気持ちを持って、利用者さんの希望に合わせた介護をしていきましょう。

現場で活躍する・求められる人材になるために

介護職の現場で活躍する・求められる人材になるためには、どういったことを意識したら良いのでしょうか?

「報告・連絡・相談」を確実に

介護職はチームワークが重要で「報告・連絡・相談」が欠かせません。自分がどの業務をどこまで終えたのかを正しく引き継ぐことで、他の介護スタッフがスムーズに介護にあたることができます。

介護現場では利用者さんのちょっとした変化を記録することで、いざというときに適切な対応を迅速に行うことが大切です。「このくらいのことなら、他の介護スタッフに相談しなくても大丈夫かな…」など、自分一人で判断しないようにしましょう。

その気づきが、利用者さんの命を守ることにつながるかもしれません。些細な変化でも、気付いたら他の介護スタッフに相談・質問しましょう。

社会人としてのマナーを忘れない

社会人としての基本的なビジネスマナーを忘れてはいけません。例えば、あいさつをすることや、時間を守ることのほか、整理整頓・スタッフ間の円滑なコミュニケーションなどが挙げられます。

仕事に限らず、人と人とのコミュニケーションの始まりはあいさつです。明るくハキハキとあいさつをしましょう。
仕事中には会議が行われることも。時間厳守で、無断欠席をしないように注意しましょう。利用者さんに関わることをしていて時間に間に合わないようであれば、遅刻することと理由を、他の介護スタッフに連絡してください。
職場はさまざまなスタッフが利用する場所です。誰が利用しても良いように、整理整頓しておきましょう。スタッフ間のコミュニケーションも大切です。会話の中で仕事に関するヒントが見つかることもあるでしょう。

体調管理を万全に

介護職は力仕事でもあります。心身ともに疲れがたまっていると、利用者さんに対するサービスの質低下が懸念されるでしょう。

また、利用者さんは高齢の方が大半を占めるため、免疫力が低下している方も多いです。介護スタッフの体調不良が利用者さんに影響してしまうかもしれません。休日は回復に努め、趣味を楽しむなどリフレッシュする時間を確保するのもおすすめです。

チームケアを意識する

介護の現場では、医療分野と介護分野が連携して治療や介護にあたるチームケアを行います。相互に情報提供を行い、利用者さんを見守ることで、いざというときに最適なケアを迅速に行えるでしょう。

各分野の専門性を理解して、チーム内の情報共有を徹底するのがおすすめです。

常に向上心を持つ

どんな仕事にもいえますが、常に向上心を持つことを忘れてはいけません。介護現場でも新しいケア方法や新制度など、日々進化して新しい情報が出てきます。利用者さんや自分自身のためにも、新しい情報を吸収してどんどんアップデートしていきましょう。

自分なりの目標を掲げて、目標に向けて努力するのもおすすめです。

これらは、介護職に限らずどの現場でも当てはまることも含まれます。近い将来に社会人となる方も、ぜひ参考にしてくださいね。

利用者さん目線で考える求められる人材とは

次に、利用者さん目線で考える「求められる人材」について考えていきましょう。

接遇マナーを身につけている

接遇マナーとは、おもてなしの心を持って相手に接するマナーのことです。利用者さんと介護スタッフの距離は近く、お互いに気持ち良く円滑に介護するには欠かせないマナーといえるでしょう。

まずは明るく接しやすい表情で、あいさつから始めてください。そして会話をする際は、自分よりも年長者であることが多いため、どんなに仲良くなったとしても、敬語で話しましょう。また難しい内容をダラダラと説明するのではなく、簡潔にわかりやすく説明するように心がけてください。

身だしなみを整える・横柄な態度をとらないなどの基本的なマナーも忘れてはいけません。

介護に関する知識が豊富

介護では、身の回りのサポートだけでなく、入浴介助や車椅子による移動介助・寝返りのサポートなど幅広い業務があります。さまざまな福祉用具を使うこともあるため、関連した知識も必要です。

利用者さんに快適な生活を送ってもらえるようにするのはもちろん、効率的に作業する際にも欠かせないのが介護に関する専門的な知識。日頃から勉強を欠かさず、仕事に活かすようにしてください

コミュニケーション能力の高さ

介護ではコミュニケーションが欠かせません。会話を通じて、利用者さんの体調の変化を察知することも。利用者さんと信頼関係を築く上でも必要です。

利用者さんが話しているのを妨げたり、話しにくい雰囲気を出したりしないように気を付けましょう。

目の前のことだけでなく全体が見えている

目の前の利用者さんに集中することはとても大切なことです。しかし、介護現場では目の前の利用者さんだけのケアをするのではありません。他にもたくさんの利用者さんがいます。

目の前の利用者さんのケアをしながら、他の利用者さんの様子をチェックするといったように、全体を見ながらケアを行いましょう。

「利用者さんに好かれる=何でも言うことを聞く」ではない

利用者さんに好かれたいと、利用者さんの希望に何でも応えようとする介護スタッフがいます。これは本当に良いことなのでしょうか?

利用者さんの言うことを何でも聞いていては、ただの御用聞きです。介護スタッフは介護の知識を持った専門職。利用者さんの自立を促し、日常生活を送れるように導くのが仕事です。

利用者さんとコミュニケーションを取って信頼関係を築くことは大切。しかし、利用者さんの要望が単なるわがままの場合は、毅然とした態度で断り、正しい方向へと導くのが介護スタッフの仕事といえるでしょう。

介護職としての心得を理解して仕事に励もう

今回述べたポイントは、さまざまな仕事に共通する点が数多くありますが、介護職が特に気を付けるべき心得もあります。複数の専門家が関わる職場だからこそ、チームワークが重要です。また、利用者さんの症状もさまざま。症状に合わせた最適なケアができるように勉強が欠かせません。紹介した介護職としての心得を、一例として取り入れてみてくださいね。

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