【介護小説】介護スタッフなら読んでおきたい小説6選

介護現場や家族の介護をテーマにした介護小説は複数存在しています。普段本を読まない方でも、自分の仕事に関する小説なら親近感を持って読めるでしょう。そこで、今回は人気の介護小説をご紹介します!心温まる話やミステリーなど、ジャンルもさまざま。また、小説の人気をうけて実写化している作品もあります。気になる介護小説を見つけてくださいね。

『介護小説 最期の贈り物』中島久美子

元大学教授の徹三は、多くの人に慕われる存在。しかし、突然痴呆が始まり、下着姿で街を徘徊するようになってしまいます。家庭での介護に家族が崩壊しかけていたとき、孫の香子は徹三の安心できる居場所探しを開始。そこでグループホーム「紫苑の里」に出会います。紫苑の里は利用者さん一人ひとりの人生に寄り添う施設でした。香子は徹三とともに紫苑の里に入居し、生活を送っていきます。「最後には泣いてしまった」と感想を残す方もいる介護小説です。

『ロスト・ケア』葉真中顕

ミステリー好きにおすすめしたい介護小説が『ロスト・ケア』です。ある日、高齢者施設で起こった殺人事件。主人公の大友は正義を信じる検察官で犯人を探し出そうとします。容疑者は施設に勤務する青年でした。しかし、青年は献身的な介護で周りからも慕われていた介護スタッフだったのです。なぜ心優しい青年が殺人を犯したのか。リアリティのある描写と深まる謎に、「第16回日本ミステリー文学大賞」において新人賞を受賞しています。2023年3月に映画が公開。ぜひあわせてチェックしてくださいね。

『恍惚の人』 有吉佐和子

84歳の茂造は息子夫婦と孫と同居しています。妻を亡くした茂造は認知症が進み、実の娘の顔さえも忘れていました。また同居する息子の顔も認識できず、暴漢と錯覚して暴れ出してしまいます。認知症の症状は激しさを増し、家族にも疲労感が募っていくのですが…。つらい描写がありながらも、「老いていく茂造がときに見せるチャーミングさ、献身的に介護する家族の姿に感嘆の声が漏れる」と社会福祉学者からのコメントが寄せられています。1973年に映画化され、映像作品としても楽しめる介護小説です。

『スクラップ・アンド・ビルド』羽田圭介

「第153回芥川賞」を受賞した介護小説です。主人公の健斗は28歳の無職。就職活動をするものの、採用試験に落ち続けて自暴自棄な生活を送っています。同居する87歳の祖父は「もう死んだほうがよか」と呟くばかり。祖父への接し方に悩んでいたところ、介護業界で働く友人から「過剰な介護を受ければ、人間はいっぺんに衰える」と言われます。祖父の望みを叶えようと、健斗は祖父への手厚い介護計画をスタート。おかしさが漂う描写が人気を集め、2016年にNHK土曜ドラマで実写化もされています。

『0.5ミリ』安藤桃子

安藤サクラ主演で映画化された介護小説です。主人公のサワは介護ヘルパー。派遣先の家族から「おじいちゃんと添い寝してほしい」と依頼を受けます。その当日に起こったハプニングも重なり、サワはいきなり無職に。生きるために、サワは道端で見かけた老人を見つけては、「押しかけヘルパー」として家事・介護をこなしていくのです。サワの明るさに関わる老人たちが、徐々に心を開いていきます。人情を描いた物語で、心あたたまる作品が読みたい方におすすめです。

『介護入門』モブ・ノリオ

29歳無職の「俺」は、マリファナに溺れながら寝たきりの祖母を介護しています。著者のデビュー作ながら芥川賞を受賞した介護小説!「YO、朋輩(ニガー)」「ha、ha」などの独特な合いの手が入る文体が話題となっています。奇抜な介護小説が読みたい方におすすめしたい作品です。

介護小説でやる気もアップ!?

介護スタッフとして働く主人公や家族の介護に励む登場人物の姿は、仕事の大切さを教えてくれます。介護小説を通して、仕事に向き合う姿勢を考えるきっかけになるのではないでしょうか。読書が苦手な方は実写作品から入門して、鑑賞後に小説を読んでみるのもいいですね。この記事を参考に、あなたにぴったりの介護小説を見つけてください。

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