訪問歯科で介護保険は適用される?知っておきたい費用の知識をチェック

今回は訪問歯科をメインテーマに、「介護保険は適用されるのか」「出費はどれくらいなのか」という費用に関する情報をお届けします。身体的・精神的な何らかの理由で通院が難しい方のために、歯科医師や歯科衛生士が訪問して歯科診療を行う“訪問歯科”。利用者さんにとって、通院の手間が省ける、慣れた場所でリラックスしながら治療を受けられる、などのメリットがあります。訪問歯科の仕事を検討中の方はぜひチェックしてください。

訪問歯科の治療費の内訳は?

訪問歯科では、主に“訪問歯科診療費”、“治療費”、“居宅療養管理指導費(管理指導費)”の費用が発生します。

訪問歯科診療費と治療費について

訪問歯科診療費は、診察時に発生する費用のこと。初診・再診料を含みます。治療費は、検査や虫歯治療、入れ歯づくりなどを行う際に発生する費用です。治療費については、利用者さんの状態で変わります。

居宅療養管理指導費(管理指導費)について

居宅療養管理指導費は、歯科医師や歯科衛生士が利用者さんの元へ訪問し、ケアマネジャーがプラン作成に必要な情報を提供する際にかかる費用です。

<歯科医師の場合>

指導内容療養上の健康管理・診断に基づく健康指導処方薬の服用方法・副反応に関する指導使用中の医療器具の管理プラン作成に必要な情報の提供 など
管理指導回数月2回まで

<歯科衛生士の場合>

指導内容歯磨き指導口腔ケア指導義歯の手入れ方法の指導嚥下機能の維持・回復のアドバイス など
管理指導回数月4回まで

訪問歯科は介護保険の適用対象!保険の種類について

訪問歯科は介護保険の適用対象です。

医療保険適用訪問歯科診療費治療費
介護保険適用居宅療養管理指導費(管理指導費)

訪問歯科では、医療保険と介護保険の2つが同時に適用されます

<訪問歯科の介護保険適用条件>

 居宅療養管理指導を受けたとき
 要介護または要支援認定を受けている
 自宅や介護施設(グループホーム、有料老人ホームなど)に入居している
 介護保険を利用するにあたり、利用者さんの同意を得ている

訪問歯科に介護保険が適用されることもふまえて、1回にかかる費用は“治療費+1,500円前後”が相場(保険治療で自己負担額が1割の場合)と言われています。「外来診療での交通費を考えると負担になるほどの額ではない」と考える利用者さんもいるようです。

訪問歯科の基礎知識をおさらい!診療内容や対象者は?

訪問歯科の診療内容は、基本的に外来診療と同じです。たとえば虫歯や抜歯、歯周病の治療など。検査・相談項目で言えば入れ歯関連のもの、口腔ケア、嚥下リハビリテーションなどです。
訪問歯科の利用は、ご自身での通院が難しい方が対象になります。他の医療機関に通院している、車いすで移動できる方は利用の対象外です。
訪問歯科の保険適用条件は、“歯科医院から診療先までが半径16キロ圏内”。利用者さん本人はもちろん、ご家族からの依頼で半径16キロ圏外となった場合、費用のすべてが保険適用外になります。
交通費や出張費については、不要としている歯科医院も多いのが実情です。しかし、訪問歯科では交通費や出張費を利用者さんに対して実費請求できるものなので、歯科医院によって異なることを認識しておきましょう。

訪問歯科と外来診療の特徴

訪問歯科と外来診療は、求められる能力や働き方などの特徴が異なります。訪問歯科で働くことを考える際にはこちらもチェックしておきましょう。

<訪問歯科の特徴>

 利用者さんやご家族、ケアマネジャーなどと接するコミュニケーション能力が求められる
 利用者さんやご家族と密な関係を築ける
 歯科衛生士主体で活躍できる
 症例や使用する機材が外来診療と比べて限られるため、ブランクがあっても復帰しやすい
 移動や荷物の運搬が多く、体力面の負担が大きい
 事務作業が多い

<外来診療の特徴>

 幅広い年代の患者と接することができる
 訪問歯科と比べると、利用者さんとコミュニケーションを取る機会が少ない
 症例や使用する機材の種類が多い
 歯科医師の補助役になりやすい
 体力面の負担と事務作業が少ない

訪問歯科の仕事を選択肢のひとつに

口腔内の健康は、高齢の方にとっての“生活の質”に影響します。高齢の方の歯科受診率が減少傾向にある現在では、受診ハードルの下がる訪問歯科は解決策のひとつ。訪問歯科診療を行う歯科医院は今後増えていくと予想されます。就職・転職先の選択肢を広げるために、訪問歯科の介護保険適用をはじめとする知識をぜひ身に付けてください。

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