正しい食事介助の手順とは?食事が難しくなる原因や注意点もチェック!

食事介助は、利用者さんが食事を通じてきちんと栄養を摂ることや、安全に食事をすること、を目的とする業務です。介護施設で過ごす利用者さんには、日々の食事で楽しさを感じてもらいたいもの。やり方次第で食事時間の充実度が変わる食事介助には、正しい知識が欠かせません。そこで今回は、“食事介助の手順”について解説します。高齢により食事が難しくなる原因や注意点にもチェックしてください。

高齢になると食事が難しくなる…その4つの原因とは?

高齢の方にとって食事が難しくなる原因は4つあります。嚥下力や咀嚼力などが低下すると、さまざまな弊害が起こるものです。食事介助の手順を確認する前に、こちらをチェックしていきましょう。

嚥下力

嚥下力が低下すると、誤嚥のリスクが高まります。窒息はもちろん誤嚥性肺炎につながる可能性もあるので、料理にとろみをつける、水分を多く含む食材を選ぶ、といった工夫が必要です。

咀嚼力

あごの筋肉が衰えると咀嚼力が低下し、やわらかい料理を好むようになります。肉や野菜などの硬い食材を避けることで考えられるリスクは、あごの筋肉の衰えが進行する、必要な栄養素が不足する、など。食材を小さく切ったり煮込んだりして食べやすくする必要があります

消化能力

加齢によって胃腸の消化液・唾液が分泌されにくくなると、消化器官の運動機能が低下。その結果、消化能力が低下して、便秘や下痢の症状の増加、胃もたれにつながります。食材や調理法を選ぶときは、消化・吸収されやすいかどうかに注目しましょう。

食欲

身体機能が衰えて活動量が減ると、味覚・嗅覚が鈍くなって食欲が低下しやすくなります。エネルギーや栄養素が不足したり、食事の楽しさを感じにくくなったりしないよう、日々の食事に“食欲のわく工夫”が欠かせません。

【食事介助の手順】食事前のチェックポイント&流れ

続いて、食事前のチェックポイントと食事介助の手順を確認します。

食事前にすること

利用者さんが食事に集中しておいしく食べられるよう、食事前の準備にも注目が必要です。まずは利用者さんに排泄をすませてもらい、食事の中断を防止します。食事しやすい環境を整えるために、テレビを消したりゆったりとした音楽をかけたりすると良いでしょう。
また、食事前の声掛けも大切なポイントです。利用者さんの好みの食材や献立の味付けを話題にあげ、食欲がわくような声掛けを意識しましょう。今から食べる料理への認識ができれば、利用者さんの安心にもつながります

食事介助の手順

1.安全な姿勢の確保

食事を始めるときは、まず利用者さんの安全な体勢を確保しましょう。車いすなら深めに腰掛けてやや前傾姿勢に、ベッドで食事をするならリクライニングの角度を調節します。腰や背中にクッションを当てて安定感を高めるのも工夫のひとつ。利用者さんの体勢が整ったら、介護スタッフは同じ目線になることを意識して座ります

2.食事前の水分補給

食事の前には、利用者さんの口の中が潤うように水分補給をしてもらいましょう。

3.食べ始めは水分の多い物から

スムーズな嚥下のためには、水分の多い物から食べ始めることが大切です。一口の目安量はティースプーン一杯程度を意識し、食事中はこまめに水分補給をはさみます。

4.食事ペースの確認

利用者さんが口の中にある食べ物をきちんと飲み込んでいるか確認しながら、“利用者さんのペースに合わせた食事介助”を行いましょう。食事が終わったら口腔ケアや服薬など必要に応じて行ってください。

食事介助の手順と合わせて意識したい3つの注意点

食事介助の手順を確認したところで、介助中に気をつけたいポイントを紹介します。

1.体勢を整え目線をそろえる

介助者が立った状態での食事介助は、利用者さんのあごが上がって誤嚥の誘発につながります。座っている利用者さんの上体をまっすぐに近い状態(90度程度)に近づけて嚥下しやすい体勢にし、介護スタッフは座って目線の高さをそろえることが大切です。

2.料理を口に運ぶ順番はバランスを意識する

食事のときに同じ料理が連続すると、利用者さんは飽きやすく、料理によっては口の中の水分不足につながる場合もあります。“主食・副食、水分をバランス良く交互に”を意識しましょう。

3.食後の口腔ケアと体勢

食後は利用者さんの口の中に食べ物が残っていないか確認し、口腔ケアを行います。利用者さんが食後に気持ち良く過ごせるよう、口の中をすっきりした状態に整えましょう。また、食後はすぐに横になると食べた物が逆流する可能性があるので、利用者さんの体勢に注意してください。

質の高いサービスのために食事介助の手順を学ぼう

食事介助の正しい手順を知ることは、利用者さんへの質の高いサービス提供につながります。高齢者の食事の難しさをふまえたうえで、「利用者さんにとっての“食べやすさ”とは?」と考えてみましょう。食事時間が楽しくなり生活にハリが出るよう、利用者さん一人ひとりに向き合った食事介助を心掛けてください。

この記事をシェアする