高齢者の肥満問題とは?リスクや予防法をわかりやすく解説

高齢者が肥満になると病気のリスクが高くなる、ということはほとんどの方がご存じでしょう。実はそれ以外にも、高齢者の肥満は認知症になる可能性が高まったり、最悪の場合は命の危険につながったりする恐れもあるのです。この記事では、高齢者の肥満の特徴や肥満のリスクについて解説するとともに、肥満の予防法を紹介します。「たかが太りすぎ」とあなどるのではなく、しっかりと対策をとって、利用者さんの肥満の予防・改善に努めましょう。

高齢者の肥満の特徴

高齢者の肥満には、若年時の肥満とは異なる特徴が見られます。それぞれ詳しく解説しましょう。

BMIが実際の数値より高く出る

加齢により身長が縮むことで、高齢者のBMIは実際の数値よりも高く出ることがあります。また、腎不全や心不全・低栄養が原因で体がむくんでしまうことも少なくありません。そのため高齢者の体脂肪は、BMIだけでは判定できない、と考えておきましょう。

サルコペニア肥満になる可能性がある

高齢者は、「サルコペニア肥満」になりやすいので注意が必要です。サルコペニア肥満とは、筋肉量が減少し、脂肪が増えた状態を指します。サルコペニア肥満はやせ型の人が該当するケースが多いため、気づかないうちに進行している…ということも少なくありません。

ウエスト周囲長やウエスト・ヒップ比が重要になる

高齢者の肥満を正確に判断するために重要なのが、内臓脂肪量の目安になるウエスト周囲長・ウエスト・ヒップ比の判定です。ウエスト周囲長が男性で85センチ以上、女性で90センチ以上になると、内臓脂肪蓄積が疑われます。

BMI値が高くても死亡リスクは低いケースがある

高齢者の場合、BMI値が高くても死亡リスクにつながるとは限りません。むしろ死亡リスクを低下させるケースもあるのです。たとえばCOPD(慢性閉塞性肺疾患)・心不全・ガンなどは、体重の減少によって死亡リスクが高まるため、BMI値が低い高齢者の方が影響を受けやすい、といえるでしょう。

高齢者の肥満のリスクとは?

高齢者が肥満になるとどのようなリスクがあるのかを見ていきましょう。

認知症リスクが高くなる

肥満は動脈硬化を起こしやすいので、血管性認知症の原因となる脳卒中のリスクが高まります。また、肥満は2型糖尿病発症リスクの1つです。糖尿病になると脳内にアミロイドβというたんぱく質が蓄積しやすくなるので、アルツハイマー型認知症になるリスクも高くなってしまいます。

死亡リスクが高くなる

肥満は2型糖尿病のほか、高血圧・脳梗塞・心筋梗塞などの原因になります。また、いびきをかく人は睡眠時無呼吸症候群にも気をつけなければいけません。このように肥満が命にかかわる病気の起因になるケースも少なくないのです。

高齢者の肥満を予防する方法

認知症やさまざまな病気の原因となる高齢者の肥満は、日々の生活を少し意識するだけで予防・改善することができます。

規則正しい食生活を

朝・昼・晩の食事時間を決めておくことで、血糖値が急激に上昇することを防ぎ、脂肪がたまりにくくなります。また、1日3食しっかりとれば、過食や間食防止につながるでしょう。

カロリーが低く食物繊維が豊富な野菜・きのこ・海藻類を積極的にメニューに取り入れることがおすすめです。また、夕食の時間が遅いと体内に脂肪が蓄積されやすくなるため、夕食は就寝の2~3時間前に設定するとよいでしょう。

間食や油、糖分の多い飲み物を控える

間食や糖分の多い飲み物は控えることも大切です。しかし、我慢するとストレスがたまったり、反動で過食に走ったりする恐れもあります。1日200kcalならOKにするなど、適度な息抜きも取り入れてください。

また、油を多くとると肥満になりやすいので、煮る・蒸すなどの調理法がおすすめです。

適度な運動を取り入れる

適度な運動を取り入れましょう。ここで、高齢者にもおすすめの筋トレをご紹介します。

  • つま先立ち…椅子の背につかまったり、壁に軽く手をついたりした状態で、かかとを床につけないよう上げ下げする
  • もも上げ…椅子の背につかまるなどしながら片方の足をお腹まで上げ、ゆっくり下げる

筋トレにウォーキングなどの有酸素運動を組み合わせると、より効果的です。ただし、筋肉量が減っている利用者さんは、転倒の恐れもあるので十分注意してください。

高齢者の肥満予防が健康につながる

高齢者の肥満は死亡や認知症・寝たきりのリスクを高める恐れがあります。また、高齢者は、見た目にはやせて見えるサルコペニア肥満にも注意しなければいけません。利用者さんが健康な日々を送れるよう、肥満対策をしっかり行うことも大切です。まずは高齢者の肥満の特徴やリスクをしっかり理解することから始めましょう。

この記事をシェアする