eスポーツが高齢者に人気?介護施設でもゲーム機導入の動き

コンピューターゲームの技術を競うeスポーツは、今や若い世代だけのものではありません。認知症予防にもつながるということで、高齢者世代にも注目を集めており、介護施設でも導入が進められています。実際に体を動かさなくてもできるゲームもあるため、年齢や性別、障害を問わず楽しめるのがeスポーツの特徴。今回は高齢者にもおすすめのeスポーツについて詳しく解説します。eスポーツの導入を検討しているなら、ぜひ参考にしてみてください。

eスポーツとはどんなもの?

まずは、eスポーツについてきちんと理解していきましょう。

eスポーツとは

eスポーツは、「エレクトロニック・スポーツ(Electronic Sports)」の略称。明確な定義はありませんが、主に電子機器を用いて競技性のあるゲームをスポーツのように勝敗や得点、順位を競い合うことです。また、競技性だけではなく自分のペースで楽しむ娯楽性を重視したeスポーツもあります。

ゲーム機の種類は据え置きタイプから携帯できるデバイスに加え、パソコンやタブレット、スマホと多種多様です。また、スポーツという言葉は使われているものの、スポーツゲームに限らずパズルゲームやシューティングゲームと、ジャンルはさまざま。世界各地でeスポーツの大会が開催され、競技人口は右肩上がりの成長を続けています。

リハビリや介護予防にもなるゲームも開発されている

高齢社会が深刻化する現在、高齢者の介護予防は要介護者を増やさないための重要な課題です。そして、介護予防の取り組みのひとつにeスポーツが挙げられます。

ゲームに興味のある高齢者が自発的にeスポーツを始めるケースももちろんありますが、最近は企業や自治体が高齢者にeスポーツを広める動きも見られるようになりました。福祉用リハビリゲームもたくさん開発・販売されており、多くの施設で活用されています。リハビリは辛いものというイメージを一新し、楽しんでリハビリを行う助けになるというのが注目を集める理由です。

eスポーツの導入による利用者さんへのメリットは?

eスポーツを施設に導入するメリットには、どんなものがあるのでしょうか。

認知症予防につながる

eスポーツが高齢者の認知症予防になることは、国内外のさまざまな機関が実証しています。eスポーツの視覚の情報をもとにコントローラーを操る一連の動作は、脳に刺激を与えるのが特徴です。eスポーツでは複雑な思考が必要とされ、脳の認知機能を鍛えることにもなり、健康維持のサポートにつながります。

筋力や反射神経を鍛えることができる

eスポーツで高得点を狙うためには、瞬時の判断でコントローラーを操る必要があります。eスポーツを続けることで、筋力や反射神経を鍛えることにもなるでしょう。指先だけでなく腕や足の動きと連動した操作が必要なゲームなら、腕や足の運動にもつながります。部屋にいながら筋力や反射神経を鍛えることができ、運動不足の解消にも役立つでしょう。

コミュニケーションのきっかけになる

eスポーツがコミュニケーションのきっかけになることも、メリットのひとつです。同じゲームに一緒に取り組むことで会話が弾むなど、利用者さんの間で交流が深まりやすいでしょう。孫世代との共通の話題が生まれるといったうれしいメリットもあります。

eスポーツの導入による介護施設側のメリットは?

eスポーツの導入により、介護施設側にもメリットがあります。

レクリエーションのマンネリ化防止になる

介護のレクリエーションはたくさんの施設で行われていますが、毎回同じようなネタになってしまう、新しいネタがない、などとマンネリ化に悩む担当者も少なくないでしょう。目新しいコンテンツとして、eスポーツを導入するのもひとつの方法です。ゲームを変えたりシーンが変わったりするだけで印象が変わり、マンネリ化しにくいというメリットもあります。

スタッフの負担が少ない

eスポーツのレクリエーションなら、スタッフの負担が最小限に抑えられます。eスポーツ中は基本的に見守りのみとなり、1人でたくさんの利用者さんをサポートできるでしょう。eスポーツの進行に合わせて2プレイで交代などの管理は必要ですが、企画を改めて考えずに済むるため、スタッフの負担も少なくなります。

介護施設に導入するeスポーツはどう選ぶ?

介護施設に導入するeスポーツの選び方を確認していきましょう。

介護施設に導入するeスポーツの選び方

介護施設に導入するeスポーツは、初心者でも取り組みやすいものを選びましょう。ゲームのルールが難しいと、どうしても受け入れにくくなってしまうはず。eスポーツは楽しいものと思ってもらえるよう、わかりやすくすぐに楽しめるものがベストです。体が不自由な利用者さんでも楽しめるよう、片手でも操作できると良いかもしれません。

実際に取り入れられているeスポーツの事例

実際に介護施設に取り入れられているeスポーツには、以下のようなものがあります。

・太鼓の達人
・グランツーリスモ
・ぷよぷよ

曲のリズムに合わせて和太鼓をたたく「太鼓の達人」は、利用者さんみんなで盛り上がることができる人気のゲーム。ルールも簡単で同じ曲を繰り返し練習すれば上達しやすいでしょう。「グランツーリスモ」は車の運転をするゲーム。ハンドルで操作するため、車に乗っていた経験のある利用者さんも取り組みやすいでしょう。「ぷよぷよ」は、ひとりでも対戦でも楽しむことができる人気のパズルゲーム。初心者から上級者まで幅広く楽しめるゲームで、高齢者を対象にしたeスポーツ大会も多く行われています。

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eスポーツを介護施設に導入するときの課題は

最後に、eスポーツを介護施設に導入する課題を確認していきましょう。

eスポーツになじめない利用者さんもいる

ルールがいまいち理解できない、展開が早くてついていけないなど、eスポーツになじめない利用者さんもいるでしょう。スタッフが先に実践してみる、楽しんでいる様子を見せるなどして、eスポーツの良さを伝え、利用者さんの意識を変える働きかけが必要かもしれません。リハビリや運動機器と同じ感覚で取り組んでもらえるとベストですが、慣れてもらうまでに時間がかかることもあるでしょう。

導入費用がかかる

ゲーム機は高額なものが多く、特に設置型の場合多くの導入費用がかかります。故障した場合の修理費用やメンテナンス費用として、別途費用が発生することもあるかもしれません。レンタルという方法もありますが、毎月費用が発生するでしょう。導入費用をどうまかなうかという点は、運営上の課題のひとつです。

設置場所を確保しなければならない

設置型の場合はある程度のスペースを確保する必要があります。施設の中のどこにゲーム機を設置するかという課題もあるでしょう。ゲーム機に必要な面積に加え、周囲に利用者さんが集まれる場所にするのがベストですが、施設によっては難しいケースもあるかもしれません。

eスポーツを高齢者施設に導入しよう

eスポーツは高齢者でも楽しく認知症予防ができる取り組みのひとつ。実際に体を動かすスポーツと違い、年齢や性別、障害の有無も関係ないのがeスポーツの魅力です。日常の取り組みの中にeスポーツを導入すれば、楽しみながら脳トレを行うことができるでしょう。介護予防やリハビリのために開発された高齢者向けのeスポーツもたくさんあるので、施設への導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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