理学療法士の需要が訪問リハビリで増加傾向!求められるスキルとは?

理学療法士は年々増加しています。理学療法士の働き方にはさまざまなカタチがありますが、病院や介護施設での勤務、訪問リハビリテーションでの活躍などが代表的でしょう。特に近年、コロナ禍の影響もあり訪問看護の需要は拡大傾向にあります。この記事では理学療法士の働き方の現状と、今後求められているスキルについて考えていきましょう。キャリアアップのために、理学療法士の資格取得を検討している方にも読んでいただきたい内容です。

【理学療法士の実状】需要拡大の「訪問リハビリ」

厚生労働省によると、2025年に向けて在宅医療の需要は大きく増加するといわれています。高齢化が進むことや、地域医療構想で病床の機能が分化・連携されることが要因です。

厚生労働省が発表している第493回中央社会保険医療協議会総会の資料によると、訪問看護利用者数は介護保険、医療保険ともに増加しています。ここで注目したいのは、2015年から2020年までのデータで、訪問看護を行う病院や診療所の数は横ばいなのに対し、訪問看護ステーションの数は年々増加している点です。コロナ禍で全体の医療費はマイナス傾向であるのに対し、訪問看護の伸び率は大きいと発表されています。コロナ禍で入院したり施設へ入所したりすると面会制限などがあることから、在宅看護のニーズが増えていることも同時に伺えるデータです。

また、理学療法士の数は、病院・診療所・介護サービス施設、どの場所においても増加しており、特に訪問看護ステーションでは理学療法士が占める割合が増加傾向にあります。

理学療法士が訪問看護で行うケアは多岐に渡ります。リハビリテーションに関わる訪問がもっとも多く、このことから「訪問リハビリ」における理学療法士の需要拡大が、近年の実情といえるでしょう。

【これからの理学療法士】求められるスキル・役割とは?

理学療法士は疾患や障害、加齢などで日常生活に支障がある方を対象として、基本的な動作の能力を回復させるために運動療法や物理療法などさまざまな手段でケアをします。介護現場での理学療法士は、リハビリテーションの専門職としてはもちろん、介護予防やフレイル予防の観点からもエキスパートとして重要視されている存在です。基本的な技術はもちろん、時代に合わせてニーズは変化するもの。理学療法士に今後期待されるスキルを考えていきましょう。

医師や介護スタッフとの連携力

介護現場においては、病院や介護施設での勤務だけでなく訪問リハビリの需要も高まっています。このことから、今後不可欠なスキルとして、医療機関や介護スタッフとスムーズに連携していく力が挙げられるでしょう。

要介護者のニーズに合ったリハビリテーションやサービスを提供するためには、医師の診断や指示はもちろん、ケアマネジャーによる的確な介護プランも必要です。ケアマネジャーが介護プランを作成するにあたり、医療的なアドバイスを求められることもあります。
理学療法士は医師と介護スタッフとの橋渡し役として、これまで以上に重要な役割を担うこととなるでしょう。

地域包括ケアへの対応力

近年では高齢者の介護度を維持、または軽度化させることにも力が注がれています。たとえば要介護の段階ではなく、要支援の段階で早期に対策をとるなどです。実際に、厚生労働省によると、訪問リハビリテーションにおいて要支援1~ 2に該当する利用者さんの人数が増えています

また、介護予防に取り組む自治体も増加傾向で、地域支援事業として訪問型の短期集中予防サービスを行う自治体が全国で5割近くあるのが現状です。短期集中予防サービスの内容としては、運動器の機能向上を目的とするものが高い割合を占めているのが特徴的となっています。

このため、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士といったリハビリ専門職が活躍するケースも増えており、地域医療とスムーズに連携する能力も、今後の理学療法士に求められるスキルでしょう。

【これからの理学療法士】介護施設との向き合い方や今後

冒頭から訪問看護の需要拡大についてご紹介してきましたが、訪問看護ステーションにおいて理学療法士の増加が進む一方で、懸念もあります。理学療法士の今後の展望についても簡単にご紹介していきましょう。

介護施設と理学療法士

訪問看護ステーションは本来、「医療や介護を提供する場」としての役割があります。近年では「訪問リハビリテーション提供の場」となり、本来の役割が薄くなってしまっている、という課題があるそうです。訪問看護ステーションは場合によっては「24時間体制」で医療や看護を提供することが求められます。しかし、理学療法士が多くを占める訪問看護ステーションでは24時間体制を整えている施設が少ない、という現状があるのです。

さらに、病院においては常駐していた理学療法士が訪問リハビリへ移動してしまうケースも報告されています。理学療法士は時代の流れに合わせて働くことが大切です。同時に、介護施設や病院のニーズ、向き合い方も考えて勤務先を検討していくことも必要でしょう。

これからの理学療法士の需要とは

現在、理学療法士の有効求人倍率は3以上で給料も比較的安定しており、正社員からアルバイトまで多様な働き方が可能です。しかし、公益社団法人日本理学療法士協会の統計によると、理学療法士の資格取得者はここ数年急激に増加しており、将来的には需要数を供給数が上回る可能性も示唆されています。

これから理学療法士を目指す方は、認定理学療法士や専門理学療法士といった上位資格を目指したり、理学療法士とともにケアマネジャー資格を取得したりすることもおすすめです。多様化するニーズに対応できるよう、スキルアップを目指して準備しておくことは、自身の強みにもなるでしょう。

理学療法士の訪問ニーズが高まる中、求められることは

理学療法士の訪問リハビリテーションでの需要が増加傾向にある今、理学療法士はより一層、医療と介護が連携するための橋渡し的な役割が期待されています。今後、どの現場でも求められる理学療法士を目指し、スキルアップすることもぜひ検討してみましょう。

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