社会福祉士の国家試験は難しい?合格ライン・合格率・難易度を解説

福祉の三大国家資格をご存知ですか?社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士を指します。そして社会福祉士は、福祉系国家資格のなかでも特に難しいと言われる資格です。ただ、資格を取得すると介護施設はもちろん、障害者支援施設や児童相談所などさまざまなところで働けるため、活躍の場が広がります。そこで今回は社会福祉士の資格取得について詳しく見ていきましょう。合格ラインや資格取得が難しいと言われる理由なども紹介します。

社会福祉士とは?

まずは社会福祉士がどういった資格なのか、また仕事内容についても見ていきましょう。

どんな資格?

冒頭でも紹介した通り、社会福祉士は国家資格の1つ。福祉分野における相談や援助にまつわる高度な専門知識・技術を持っていることを証明する資格です。

資格がなくても相談や援助業務を行えますが、社会福祉士を名乗ることで利用者さんやその家族からの信頼度は高まるでしょう。また近年、介護施設のみならず医療分野や学校などで社会福祉士の活躍の場が広がっており、求人需要が高まる職業と言えます。

社会福祉士は人と人とのコミュニケーションによって、相談者が何に困っているのか・どのようにすれば改善できるのかを探し解決していく職業です。そのため、AIなどの技術革新が広がっても淘汰されにくい仕事と言えるでしょう。

受験資格について

社会福祉士資格を受けるためには受験資格が必要です。いくつかルートがありますが、一般的には福祉系の大学を卒業、または養成機関を卒業して短期養成施設などで6ヶ月以上学んだうえで試験を受けます。

福祉に関係ない学部の大学や短期大学を卒業または大学を卒業していなくても、相談援助実務を行ったり一般養成施設などで1年以上学んだりすれば受験資格を得ることも可能です。

仕事内容

社会福祉士の主な仕事は相談業務で、日常生活を送るにあたって問題を抱えている方の相談に対応します。相談者がどういったことに困っており、どうすれば解決できるのかを見出すことが仕事です。

そのため、必要な支援を受けられるように医療保健分野などと連携したり、橋渡ししたりする役割もあります。

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社会福祉士の難易度を解説

ここからは社会福祉士資格の難易度について詳しく見ていきましょう。

合格率

2024年3月に発表された第36回社会福祉士国家試験の合格率は58.1%で、過去1番の合格率でした。受験者数は34,539人、合格者数は20,050人。過去5年間を見ると、合格率は約30~40%です。

受験者数は昨年よりも2,435人減少しており、合格者数は3,712人増加しています。2018年頃から受験者数が減少傾向にあり2023年には増加に転じましたが、2024年は2022年と同程度になりました。一方合格者数は、2021年から増加傾向にあります。

合格ライン

社会福祉士資格の合格基準は明確に決められており、以下の2つの条件を満たした方を合格者としています。

  • 問題の総得点の60%程度を基準にし、問題の難易度で補正した点数以上の方。
  • 上の項目を満たした方のうち、19科目群すべてにおいて得点があった方

(試験科目の一部免除を受けた場合は別途規定あり)

出題形式は基本的に五肢択一で、出題数は150問総試験時間数は240分です。

他の福祉系資格との難易度の違い

社会福祉士試験を、同じ福祉の三大国家資格である精神保健福祉士や介護福祉士と比べると、科目数・問題数ともに社会福祉士試験のほうが多く、1日あたりの試験時間も長いです。

また合格率については、精神保健福祉士は約60~70%、介護福祉士は約70~80%。いずれも社会福祉士試験よりも高い合格率です。

結果、社会福祉士は福祉系の国家資格のなかで難易度の高い資格と言えるでしょう。

なぜ社会福祉士試験の難易度が高いと言われるのか?

最後に、社会福祉士試験の難易度が高いと言われる理由について紹介します。

出題範囲が広い

社会福祉士試験では全19科目の試験を実施。精神保健福祉士は16科目、介護福祉士は11科目です。社会福祉士になるためには、より幅広い知識と技術を必要とされることがわかるでしょう。社会福祉士試験の科目は以下の通りです。

  1. 人体の構造と機能及び疾病
  2. 心理学理論と心理的支援
  3. 社会理論と社会システム
  4. 現代社会と福祉
  5. 地域福祉の理論と方法
  6. 福祉行財政と福祉計画
  7. 社会保障
  8. 障害者に対する支援と障害者自立支援制度
  9. 低所得者に対する支援と生活保護制度
  10. 保健医療サービス
  11. 権利擁護と成年後見制度
  12. 社会調査の基礎
  13. 相談援助の基盤と専門職
  14. 相談援助の理論と方法
  15. 福祉サービスの組織と経営
  16. 高齢者に対する支援と介護保険制度
  17. 児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度
  18. 就労支援サービス
  19. 更生保護制度

合格基準が高い

社会福祉士試験は1問1点で、全部で150問あります。そして問題の総得点において60%程度、正解しなければなりません。つまり150点中90点以上の正解が必要になります。ちなみに第36回試験では90点が合格基準でした。

合格基準は試験の難易度によって調整されますが、合格ラインとされる90点よりも高い得点を目指して勉強する必要があるでしょう。

苦手科目を作ってはならない

社会福祉士試験は合格基準が高いだけでなく、苦手科目を作ってはならないという課題があります。前述した合格基準にあるように、19科目群すべてにおいて得点しなければなりません。

つまり1科目でも得点がなければ不合格になるわけです。一般的な資格試験であれば、得意分野を徹底的に勉強して得点を稼ぎ、苦手な分野は放置して効率的な勉強をすることもできるでしょう。しかし社会福祉士試験では、苦手科目も捨てる科目も作ってはいけません。

問題数が多い

社会福祉士試験は1日あたりの試験時間が長く、問題数も150問と多いです。そのため、集中力を切らさず確実に解答する必要があります。またマークシート形式のため、1問でもマークがずれてしまうと、すべての問題を間違う恐れも。

試験に向けてマークシート形式に慣れることはもちろん、体調管理に気を配って万全の態勢で臨みましょう。

法改正によるアップデートが必要

社会福祉士が相談者から受けた内容をもとに提案するサービスなどは、法律に則ったものでなければなりません。そのため、法律や制度について正しく理解する必要があります。また法律や制度は状況に応じて改正されることもあるため、日々アップデートしなければならないのです。

特に、計画的に数年かけて勉強して資格取得を目指す方は法改正に注意しましょう。もちろん、資格取得したあとも法改正は行われます。試験に関係なくても実務で影響が出るため、日々チェックすることが大切です。

社会福祉士資格を取得して活躍の場を広げよう

社会福祉士試験の合格ラインは高く難しい試験と言われています。しかし社会福祉士になることで利用者さんから信頼され、活躍の場を広げることが可能です。今後も需要が高まる資格のため、取得を検討しても損はないと言えるでしょう。仕事をしながらコツコツ勉強して取得することも可能なため、ぜひこの機会に取得を検討してみてはいかがでしょうか。

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