旅行介助士(トラベルヘルパー)とは?資格取得するメリットや方法

旅行介助士やトラベルヘルパーという仕事があるのをご存知ですか?介護状態になった利用者さんは、日常生活を送る上で他の方のサポートが必要になることもあり、旅行など外出を控えがちです。しかし外出を控えると、日常生活が単調になり、リハビリへのモチベーションが下がることもあります。そこで今回は、旅行介助士とはどういう仕事なのか、役立つ場面や資格を取得するメリットなどについて見ていきましょう。

旅行介助士(トラベルヘルパー)とはどんな仕事?

旅行介助士とは、介助や介護が必要な利用者さんの旅行に同行し、旅行中サポートする仕事です。取得した資格によって、旅行介助士や旅行介護士、トラベルヘルパーなどと呼ばれます。

旅行介助士の場合は、日本で唯一、資格取得の際に「国内旅程管理主任者資格」も取得できるため、旅行ツアーを考えたり添乗したりすることも可能です。そのほかの資格では、利用者さんが安心して外出できるように、介護技術と旅行の知識を持った専門家が利用者さんのサポートをするといった意味合いになります。

介護施設の職員が旅行介助士の資格を取得すれば、勤務する介護施設の旅行を企画することもできるでしょう。また「利用者さんの外出したい」「旅行に行きたい」という願いを叶えることもできます。

旅行介助士が役立つ場面とは?

旅行介助士が役立つ場面とはどんなときなのでしょうか?ここでは、具体例を紹介します。

孫など身内の結婚式に参加

例え県内であっても、介助や介護が必要な利用者さんにとって、結婚式に参加することはとても大変なことです。まして結婚式会場が県外となると、1人での参加はなかなか厳しいでしょう。

また、結婚式当日は親族の方も花嫁や花婿のサポートで忙しい場合もあります。こういったときに旅行介助士が同行していれば、移動から食事やトイレの介助などを適切に行えるでしょう。

思い出の場所や海外旅行へ

「若い頃に住んでいたあの町を見たい」や「新婚旅行で行ったハワイにもう1度行きたい」など、利用者さんにも夢があります。他の方よりも少しサポートが必要になったからといって、その夢を諦めさせるのは違うのではないでしょうか。

どうすれば利用者さんの願いを叶えられるのかを考え、サポートしながら思い出の場所や海外に行くことで、利用者さんのモチベーションがアップするでしょう。

お墓参り

利用者さんは介護状態になると「連れて行ってもらうのに迷惑をかけてしまう」と、法事やお墓参りなどの行事に参加しづらくなることもあります。しかし、心の中では「以前お世話になった方のお墓参りに行きたい」「ずっと仲良くしてきた友人の法事なのに…」と外出を諦めている可能性があります。

介護スタッフが同行してくれたり利用者さんに配慮した旅行プランを作ったりできれば、利用者さん・利用者さんの家族ともに安心して外出できるでしょう。

旅行介助士になるメリットとは?

旅行介助士になるメリットについて説明します。主なメリットは以下の4つです。

  • 利用者さんに配慮した旅行の企画ができる
  • 国内旅程管理主任者の資格を取得できる
  • 添乗員として働くこともできる
  • 他の施設との差別化が図れる

旅行介助士の資格を取得するためには、介護にまつわる資格や経験が必要です。そのため、介護職員が旅行介助士の資格を取得すると、旅行や外出を諦めていた利用者さんが安心して外出できるようになるかもしれません。また、利用者さんの病状に配慮した旅行の企画を作れるでしょう。

一般社団法人日本介護旅行サポーターズ協会が運営している旅行介助士資格では、国内旅程管理主任者資格の取得が可能です。これは、国内旅行の添乗ができるようになることを意味します。つまり旅行介助士は、介護のプロと添乗員を兼ねた資格なのです。

添乗員の資格があれば、勤務している介護施設の旅行を企画する際にも重宝されます。また、他の業界から「添乗員として働かないか」と声をかけられ、仕事の幅を広げられるかもしれません。

旅行介助士が介護施設にいることで、他の介護施設との差別化が図れ、入居者さんが増える可能性もあるでしょう。

旅行介助士になる方法とは?

旅行介助士になるためには、一般社団法人日本介護旅行サポーターズ協会が実施している3日間の研修に参加しなければなりません。また、受験には受験資格が必要です。どんな受験資格が必要なのか見ていきましょう。

<受験資格>

  • 介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修受講者
  • 介護福祉士・看護師・PT・OT・ST・柔道整復師・あんまマッサージ指圧師などの資格者
  • 介護保険適用の事業所、または障害者総合支援法適用の施設で、介護士、ヘルパーとして勤務した経験のある者
  • その他、要介護者、高齢者の介助業務に従事した経験のある者

国内旅程管理主任者や総合旅程管理主任者の資格を持っている方は、1日目と2日目の午前中の講座が免除されます。

旅行介助士の資格を取得すれば資格者証が発行され、AMUSE株式会社という添乗員派遣会社に、添乗員として無料で登録することが可能です。テストで万一不合格になっても、合格するまで再試験を受けることができます。

実際の研修内容は以下の通りです。

<1日目>

  • 旅行業法令や約款を学習
  • 国内旅行実務

<2日目>

  • 国内旅行実務
  • バス添乗実務
  • 旅程管理者試験

<3日目>

  • 介護旅行の企画
  • 旅行の手配
  • 下見のポイント
  • 旅行者の状態把握
  • 旅行中のサポート
  • 旅行後の業務

3日間の研修で、旅行業の基礎から介護旅行のポイントなど実践的なことが学べるでしょう。

旅行介助士に類似する資格とは?

冒頭で説明したように、旅行介助士には類似する資格がいくつかあります。ここでは、2種類の類似資格を見ていきましょう。

まずは、一般社団法人日本旅行介護士協会が運営する「旅行介護士」です。旅行介護士は介護旅行の専門教育を受けた方のことで、病気や介護などを理由に旅行や外出を諦めている方が、安心して介護旅行できるようにサポートします。

旅行介護士には目的に応じて、国内旅行介護士2級・国内旅行介護士1級・海外旅行介護士の3種類あり、受講期間や内容が異なります。受講資格はなく、紹介特典や団体受講特典があるのが特徴です。

もう1つの類似資格はトラベルヘルパーで、日本トラベルヘルパー協会が運営しています。トラベルヘルパーは、いわば外出支援の専門家。トラベルヘルパーは、3級・準2級・2級の3種類に分かれています。

トラベルヘルパーの受講は、自宅学習後在宅検定を行い、資格取得といった流れです。準2級からは自宅学習後、実地研修を挟んでから検定試験を受けます。2級では2日間の日帰り研修後、2泊3日の合宿研修も実施。

トラベルヘルパー3級の受講資格はなく、準2級や2級を受講する際は、受講予定より下の級を取得しておくことが受講資格となります。ただし、同時受講も可能です。

各資格にそれぞれの特徴があるため、自分がどんな資格を取りたいのかを考えた上で、受験資格を決めると良いでしょう。

旅行介助士を取得して利用者さんを笑顔にしよう

旅行介助士(トラベルヘルパー)などの資格を取得すれば、外出や旅行を諦めていた利用者さんの背中を押すことができます。利用者さんが本当にやりたいことの手助けができるため、旅行介助士の資格を取得することはとても意義のあることでしょう。旅行介助士として、利用者さんや利用者さんの家族が安心できる旅行プランを企画し、利用者さんを笑顔にしたいですね。

この記事をシェアする