オーラルフレイルはチェックリストで対策!口腔機能低下の早期発見に役立てよう

高齢になるにつれて増えてくるのが、オーラルフレイルと呼ばれる口腔機能の低下です。「むせやすい」「硬いものが食べにくい」「口の乾きが気になる」といった口の中の違和感がある方は、オーラルフレイルかもしれません。本記事では、オーラルフレイルの症状やセルフチェックリストについて解説します。オーラルフレイルは早期発見・早期対処が重要。介護職や看護師のみなさんは、ぜひ利用者さんの普段の様子を思い返しながら読んでみてください。

オーラルフレイルは早期発見が重要!

そもそもオーラルフレイルとはどういう状態なのか、解説します。

オーラルフレイルとは?

オーラルフレイルとは“口の虚弱”という意味の造語で、口腔機能が低下した状態のこと。例としては、

  • むせやすくなる
  • 食べこぼしが増える
  • 食欲が落ちる
  • 滑舌が悪い

といった症状が挙げられます。一見すると、オーラルフレイルは口にまつわる“ささいな衰え”に感じられるかもしれません。しかし、オーラルフレイルを放置するとやがて心身にまで影響を及ぼし、要介護状態にまで深刻化する可能性も。そのため決して甘く見ず、早期発見が重要とされています。

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オーラルフレイルを早期発見すべき理由

オーラルフレイルの早期発見が重要視されるのは、口腔内の衰えが心身全体の衰えにつながる重要なサインとされているからです。

そもそもオーラルフレイルの“フレイル”とは、高齢になるとともに身体的・心理的・社会的な問題が重なって、虚弱になった状態のことをいいます。これは加齢とともに自然と衰えていく「老化」とはまったく別のもの。さまざまな心身の問題が影響しあい、段階的に衰えていくのがフレイルの特徴で、初期段階で適切に対処すれば回復可能な場合もある点が老化との大きな違いです。

この初期段階というのが、オーラルフレイル。口腔機能の衰えが積み重なることで、筋力低下や栄養の偏り、社会性の減退につながり、だんだんと心身機能が衰えていくといわれています。つまり、オーラルフレイルは“負の連鎖”が始まる予兆。そのため、オーラルフレイルを早期発見して適切に対処し、心身全体の機能低下を未然に防ぐことが大切なのです。

オーラルフレイルを早期発見するための方法とは?

オーラルフレイルに早期に気づく方法としては、次の2つがあります。

オーラルフレイルのチェックリストを活用する

オーラルフレイルを早期発見するためには、次のようなチェックリストを活用してみましょう。こちらは「東京大学高齢社会総合研究機構」が作成したオーラルフレイルのチェックリストです。「はい/いいえ」から選んで点数を加算し、合計点を出してください。

質問事項はい/いいえ
半年前と比べて、堅い物が食べにくくなった2点/0点
お茶や汁物でむせることがある2点/0点
義歯を入れている2点/0点
口の乾きが気になる1点/0点
半年前と比べて、
外出が少なくなった
1点/0点
さきイカ・たくあんくらいの
堅さの食べ物を
噛むことができる
0点/1点
1日に2回以上、歯を磨く0点/1点
1年に1回以上、歯医者に行く0点/1点
(出典:東京大学高齢社会総合研究機構  田中友規、飯島勝矢)

オーラルフレイルのチェックリストの合計点数から、次のような結果が分かります。

  • 0~2点:オーラルフレイルの危険性は低い
  • 3点:オーラルフレイルの危険性あり
  • 4点以上:オーラルフレイルの危険性が高い

なお、オーラルフレイルのチェックリストは「第一三共ヘルスケア」など企業が独自に作成したものもあります。オーラルフレイルの可能性をより正確にはかるためにも、さまざまなチェックリストを活用してみるといいかもしれません。

噛むときに動く筋肉を指で触って確認する

オーラルフレイルはチェックリスト以外でも、簡単にセルフチェックが可能です。それは、噛むときに動く2つの筋肉、「咬筋」「側頭筋」を触って確かめる方法。実際に、奥歯で何回か噛みながら、頬にある咬筋と、こめかみにある側頭筋が動いているか確かめてみてください。このとき、筋肉の動きが弱い、または指先に動きが感じられないときは噛む力が弱くなっている証拠。つまりオーラルフレイルの可能性が高いといえるでしょう。

オーラルフレイルのチェックリストで危険性が高いときは?

もし、オーラルフレイルのチェックリストで「危険性が高い」という結果になったら、次の対策方法をぜひ実践してみましょう。

口の中を清潔に保つ

口の中が不衛生だと、虫歯や歯周病リスクが上がり、健康な歯が抜け落ちやすくなります。その結果、食事や会話といった口腔機能の低下を招いてしまうこともあるでしょう。そのため口の中を清潔に保つことはオーラルフレイルの一番の予防策となります。歯ブラシはもちろん、歯間ブラシやデンタルフロスなども習慣として取り入れながら、丁寧にケアしていくことが大切です。また、定期的にかかりつけの歯医者を受診し、歯の状態をチェックしてもらうといいでしょう。

口まわりや舌、喉の筋力トレーニングを習慣化する

口腔機能の低下を防ぐためには、口まわりや舌、喉あたりの筋力が衰えないように日頃からトレーニングすると効果的です。

例えば、唇を「ウー」「イー」といいながら動かしてみたり、うがいするように頬を膨らませてしぼませる動きを繰り返したり、意識的に口まわりを動かしてみてください。舌の先を顎や鼻の頭にくっつけるように大きく動かすのも、誤嚥やむせの予防につながります。また、早口言葉もオーラルフレイル予防のトレーニングとして効果的。声を出すことは口腔機能低下を防ぐためにも有効なので、ぜひ隙間時間で実践してみましょう。

オーラルフレイルの早期発見にチェックリストを活用しよう!

オーラルフレイルは老化と違って、適切な処置を早期に行えば改善が見込める状態です。心身のフレイルは“要介護予備軍”とも呼ばれているため、オーラルフレイルの段階で早期に食い止めなければいけません。介護職のみなさんは利用者さんの健康寿命を延ばすためにも、オーラルフレイルのチェックリストを活用しながら“負の連鎖”のサインを見逃さないように気をつけましょう。

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