高齢者施設向け脳トレ×笑いのホワイトボードレクリエーション3選

“脳トレ”と“笑い”は、認知機能やQOLの向上など、高齢者にとって良い影響をもたらすといわれています。それならば、脳トレと笑いの両方を掛け合わせたレクリエーションを、ホワイトボードで実施してみませんか?今回は、高齢者にとって脳トレと笑いがそれぞれどのような効果をもたらすのかをご紹介します。併せて、ホワイトボードを使ってできる簡単なレクリエーションネタ3選をピックアップしたので、こちらも参考にしてみてください。

笑いが高齢者にもたらすメリット

笑いには、認知機能の低下を防ぐ効果があることが知られています。ポジティブな気持ちを引き寄せたり、アルファ波が増えて脳がリラックスしたりと、気分転換にも有効です。
さらに、笑うことで唾液の分泌量の増加による口腔機能の維持や、血管を拡張して血圧低下・血行促進させるなど、健康上さまざまな良い効果ができ、生活の質(QOL)の向上にもつながります。笑うことは、高齢者にとってメリットが大きい行為なのです。

脳トレが高齢者にもたらすメリット

対して脳トレは、認知機能を高める効果が期待されます。記憶力、注意力、見当識、計算力、言語能力など、それぞれ以前よりも衰えてきている認知機能に対し、早期から継続的にアプローチしていくことで、認知機能の低下や認知症の予防につながると考えられているのです。

笑いを生み出すレクリエーションのコツ

何か面白い話を聞いたとき、若い人が理解して笑うまでのスピードと、高齢者が理解して笑うまでのスピードでは違いがあります。わかりやすい内容を、ゆっくりと説明しながら話せば笑顔を引き出しやすくなるでしょう。
また、ちょっとした会話に自虐ネタを挟むことがあるかもしれませんが、高齢者にはなじみが薄く、かえって「笑ってはいけないのでは」と思わせることも。マイナスなネタを使うときには笑っても大丈夫なことを事前に伝えておくと、安心感につながり、笑ってもらいやすくなるでしょう。
クイズならみんなが答えられそうな簡単な問題から出したり、ヒントは小出しにしたりすることで、問題にチャレンジすることに対してストレスや苦痛を感じにくくなります。チーム対抗制にすれば利用者さん同士のコミュニケーションの機会にもなり、楽しい雰囲気で自然と笑顔も生まれるでしょう。

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高齢者向け脳トレと笑いを組み合わせたホワイトボードレクリエーション3選

ここからは、高齢者向けに脳トレと笑いを組み合わせたレクリエーションを3つご紹介します。脳トレをレクリエーションの一環としておこなう場合、ホワイトボードを使えばスタッフが準備するものも少なく、かつ大人数で一斉に取り組みやすくなるためおすすめです。大人数でもできる簡単なレクリエーションばかりなので、現場でネタに困っている方はぜひ参考にしてみてください。

判断力を鍛える!シルバー川柳穴埋めクイズ

高齢社会・高齢者の生活に関した川柳を集めた「シルバー川柳」を穴埋めクイズにして楽しむレクです。

例:
①○○○○ 付いているから 食べたはず
答え:ご飯つぶ


②冬の日の ○○○○は 命がけ
答え:一番風呂


出典:社会法人 全国有料老人ホーム協会

やり方は簡単。川柳の一部分を空白にしてホワイトボードに掲示し、空欄部分を誘導しながら利用者さんに答えてもらいます。老いとともに現れる悲観的なできごとを、ユーモラスに表現している川柳を選ぶのがポイントです。
どんなことが詠まれたのかを当てる楽しさだけでなく、利用者さん自身の経験と照らし合わせて川柳を読み解くことで笑いを生み出すレクとなっています。理解力や判断力を使うため、認知症予防に取り入れるのもおすすめ。川柳に共感することで、老いに関する不安を解消させる狙いもあります。

言語能力を鍛える!チーム対抗言葉集めゲーム

ひらめき力や言語能力を鍛えるゲームです。

やり方は2種類あります。1つはお題となる1文字をホワイトボードに大きく書き、チーム対抗でいくつ単語を作り出せるかを競う方法。もう1つは、お題となる1文字をホワイドボードに書き、ジャンルまで指定して単語を集める方法です。

例:
①「と」のつく単語を集めよう!
答え:とびら、トランプ、時計、トースターなど


②「き」のつく「食べ物」は?
答え:きなこ、きしめん、きくらげ、きざみわかめなど

お題の組み合わせを変えたり、範囲を「食堂内にあるもの」と指定したりと、アレンジ次第で楽しみ方が無限に広がります。チーム対抗でおこなえばコミュニケーションが生まれ、利用者さん同士が仲良くなるきっかけをつくることもできるでしょう。

思考力を鍛える!絵しりとり

ホワイトボードに絵を描き、絵でしりとりをつなげていくゲームです。相手が何を描くのか、自分が何を描こうかと、思考力を養いながら楽しめます。目標個数を決めておこなうのがおすすめです。時には「じょうずに描けない!」「何を書いているかわからないよ!」といった会話で笑いが起こり、盛り上がるでしょう。
しりとりであればルールを知っている人も多いため、絵を描くことに抵抗がなければ気軽に参加できるレクといえます。絵が苦手な方には介護スタッフがサポートすると良いでしょう。また、絵を描くことで手指の運動にもつながるのも、このゲームのメリットです。

高齢者にとって笑いと脳トレは良いことづくし

高齢者にとって笑いと脳トレはメリットが多く、魅力的な行為であることを解説しました。ホワイトボードを使ったレクリエーションなら大人数で実施できるので、一人ひとりに介護スタッフが個別についておこなう内容よりも負担が少なく実施できます。どれも簡単かつ応用の利くゲームばかりですので、日々のレクリエーションのネタに困った場合には思い出してみてください。

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