介護施設で知っておきたい方言「広島弁」【備後編】

他県や他エリアから福山市・尾道市周辺の介護施設に来たスタッフにとって、聞き取れない広島弁は多いのではないでしょうか?利用者さんの中には特に方言が強い方もいて、コミュニケーションに困ることもあるでしょう。そこで、この記事では広島弁の中でも特に福山市・尾道市周辺で話されている備後方言を取り上げ、意味や具体例を紹介していきます。介護のときにぜひ広島弁を使ってみてくださいね。

【1】備後方言「~ばぁ」

介護施設で耳にしやすい備後地方の広島弁といえば「~ばぁ」。「~ばぁ」は「ばかり(だけ)」の意味を持つ備後弁です。福山市や尾道市で使われる備後弁は、語尾が言い切りではなく伸びる傾向があります。「ちいとばぁください」と言われたら「ちょっとばかり(だけ)ください」という意味です。

【2】備後方言「にがる」

介護現場で働くうえで特に知っておきたい広島弁は体調不良に関する言葉ですよね。そこで紹介する方言は「にがる」です。言葉の響きから「苦い」を想像するかもしれませんが、「にがる」は「きりきりと痛む」を意味します。「昨日からお腹がにがるんよ」は「昨日からお腹がきりきりと痛みます」と言われているので、症状をくわしく聞き取るのが大切ですね。

【3】備後方言「まちょおるよ」

「まちょおるよ」とは「待っているよ」を意味する方言です。「まちょおるけぇあとで来て」は「待っているからあとで来てね」と表しています。ちなみに「けぇ」は福山市の介護施設だけでなく県全体でよく使われている広島弁です。この機会にぜひ覚えておくといいですよ。

【4】備後方言「けぇ」「せぇ」

「来い」のことを広島弁では「けぇ」、「しろ」のことを「せぇ」と言います。よく聞く表現としては「こっちにけぇ」「はよせぇ」などがあります。標準語に直すと「こっちに来い」、「早くしろ」を意味する言葉なので、介護の現場で聞くと「怒らせてしまっただろうか?」と心配になるときもあるかもしれません。しかし「けぇ」や「せぇ」は親しい関係の相手にも使う広島弁なので安心してくださいね

【5】備後方言「ちいとばぁ」

「ちいとばあ」は「ちょっとだけ」という意味を表します。量や程度を表す方言で、介護しているときに「ちいとばぁ待ってくれ」と言われたら「ちょっとだけ待ってくれ」と言われているのだと理解しましょう。広島弁が分かればコミュニケーションに困りませんね。

【6】備後方言「あぎゃんす」

標準語で「さしあげます」を意味する福山市・尾道市エリアの方言は「あぎゃんす」です。介護スタッフに対し「こちらをあぎゃんす」と物を渡されたら「こちらをさしあげます」[btp_line]を意味する広島弁だと解釈しましょう。

【7】備後方言「あたりき」

介護現場で耳にする広島弁の1つに「あたりき」があります。「当たり前」を意味する方言で標準語とも似ているので、話の流れから理解できる方もいるでしょう。[btp_line]「そんなのあたりきよ」とは「そんなの当たり前よ」という意味を持っています。

【8】備後方言「がっそぉ」

介護をしているときに検討もつかない広島弁が出てくると戸惑いますよね。分かりにくい広島弁の1つに「がっそぉ」があります。「がっそぉ」は「髪がぼさぼさ」を意味する福山市・尾道市エリアの方言です。「起きたばかりでがっそぉじゃ」とは「起きたばかりで髪がぼさぼさだ」と伝えたいときに使われます。介護施設では朝によく聞かれる広島弁と言えますね。

【9】備後方言「さぼる」

「さぼる」と聞くと「手を抜く」を意味する単語として使うことが多いので、介護施設で聞くと意味が合わずに戸惑うかもしれません。広島弁で「さぼる」とは「引っ張る」を意味します。普段使っている「さぼる」の意味とは全く異なるので驚きますよね。「ちょっとこの紐をさぼって(ちょっとこの紐を引っ張って)」のように使われることがあります。

【10】備後方言「あんやん」

「あんやん」は「兄さん」を意味するので、男性の介護スタッフがよく耳にする広島弁なのではないでしょうか?「あんやん、こっち来てくれ」は「兄さん、こっちに来てくれ」という意味です。

介護現場でよく使われる広島弁をマスターしよう!

福山市や尾道市は岡山県と隣接しているので、方言も岡山弁に近いのが特徴です。若い世代はあまり使うことのない方言もありますが、高齢者の方の中には日常的に使うものもあります。介護施設で働くときは広島弁をマスターして、利用者さんと円滑にコミュニケーションを取っていきましょう!

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