介護技術の向上を目指す!スキルアップのためにできる8つの方法

介護スタッフとして働く以上、目指すべくは介護技術の向上です。介護技術の向上により、利用者さんが満足でき、自分の負担を軽減したりキャリアアップできたりと、メリットはたくさん。しかし、どのようにして介護技術を向上させていけばいいのかわからない方も少なくないでしょう。そこで今回は、介護技術の向上のためにできることを詳しく解説していきます。身に付けるべき技術や身に付け方を理解して、スキルアップを目指してみてはいかがでしょうか。

介護技術の向上の重要性

体の動かし方や日常支援といった介護技術には、すべて目的と根拠があります。体の力学的原理を活用し、無理なく動作ができるボディメカニクスがいい例です。正しい技術を身に付けることで利用者さんは楽に動くことができ、介護スタッフ自身も、腰をはじめ体への負担を最小限にすることにつながります。

介護技術は介護スタッフと利用者さんの両方が負担なく過ごすためのものであり、介護技術の向上は介護スタッフとして働くうえでの重要な課題です。ついスピードや効率を重視してしまいがちですが、介護の仕事においては、利用者さんが安全かつ自然に動ける状態をつくるという点に重きをおく必要があるでしょう。

介護スタッフに必要な知識やスキルとは

では、介護スタッフに必要な知識やスキルには具体的にどんなものがあるのでしょうか。

介護技術や実技

介護スタッフに最も重要なスキルが、介護技術や実技です。食事や移乗、更衣、入浴など、介護にはいろいろな場面があり、それぞれに正しい方法があります。利用者さんの介護生活のクオリティの差は、介護スタッフの介護技術に左右されるといっても過言ではありません。正しい方法で介護をすることで、利用者さんはもちろん、介護スタッフの負担を軽減することにもつながります。

また、介護技術や実技は、一度身に付けたら終わりというものではありません。いつの間にか自己流になってしまうことを避けるためにも、正しく身に付いているか定期的に確認する必要があるでしょう。

観察力と判断力

介護スタッフは、介助をするだけでなく体調や精神状態を観察し、変化が見られるようなら都度対応していくのが役割です。手際よく介助しながらも利用者さんをきちんと観察し、違いを察知できると、介護の質の向上にもつながります。

観察しどうすべきかを考える、判断する力も大切です。解決方法は利用者さんの数だけあるのが、介護の難しいところでしょう。判断力はすぐにどうにかなるものではありませんが、仕事や先輩スタッフの行動を通して、少しずつ身に付けていく必要があります。

コミュニケーション力

対人の仕事である介護職では、コミュニケーション力も必要です。相手を敬い寄り添ったコミュニケーションが求められるという前提を理解しておく必要があるでしょう。

円滑に介助するためには、コミュニケーション力は欠かせません。利用者さんの表情や言葉から、喜怒哀楽や生活スタイル、性格を把握していきながら、信頼関係を構築していきます。利用者さんの家族とも、情報を共有するためにコミュニケーションをとる場面も少なくありません。

介護技術の向上のための8つの方法

介護技術の向上によりスキルアップしたい!そんなときには具体的にどんなことに取り組んでいくのがいいのでしょうか。8つのポイントをご紹介します。

マニュアルの根拠を考える

施設には業務のマニュアルが用意されており、基本的にはそれに基づいて業務を行っていきます。まずはその根拠を考えてみることから始めましょう。マニュアルを覚えることはしても、根拠まで考え理解している方はそう多くないはずです。

「なぜこの支援が必要なの?」と疑問を持ったまま業務にあたるのと、根拠が理解できているのとでは、大きな差があります。当たり前に行っている日常業務の目的と根拠を理解することで、介護技術も高まるでしょう。

先輩スタッフの技術を見て真似る

先輩スタッフの介護技術を見て真似るのも、スキルアップの一環です。先輩スタッフが利用者さんのどんなところを見ているのか、どう判断して対応しているかを理解することで、自然と対応力が身に付いていきます。

利用者さんの観察と合わせて、尊敬できる先輩スタッフの動きを観察するのもいいでしょう。

勉強会やセミナーに参加する

勉強会やセミナーに参加することも、スキルアップに役立ちます。勉強会やセミナーは講習型・体験型と、さまざまな形態で行われているのが特徴です。最近ではオンラインセミナーも実施されており、直接足を運べないときでも自宅などから参加できます。

新たな知識を学ぶだけでなく、これまでの理解の再確認にもつながるでしょう。参加者同士で悩みを共有する、他の施設の情報を得るなどのいい機会にもなります。

本や動画で学ぶ

介護の知識や技術についての本や動画を見るのもおすすめです。自分の好きなタイミングで、自由に学ぶことができるでしょう。本や動画を見ることで満足してしまうこともあるかもしれませんが、インプットだけでは知識を理解するにとどまり、身に付きにくいという側面があります。

インプットのあとは必ずアウトプットすることを心掛け、自分の知識や技術にできるよう実践していくことが大切です。

介護技術を競う大会に参加する

最近、介護福祉会などが開催する介護技術を競う大会も多くあります。大会により競う内容はさまざまですが、介護スタッフとしての腕を試すいい機会になるでしょう。大会でいい結果を出したいというモチベーションも、スキルアップの糧になります。

また、他の施設の介護スタッフと競い合うことも、介護技術の向上につながるいい刺激にもなるはずです。

利用者さんと積極的にコミュニケーションをとる

利用者さんとの積極的なコミュニケーションも、スキルアップにつながります。どう接すればいいのかわからないときこそ、挨拶を忘れない・丁寧な言葉遣い・笑顔と前向きな言葉を発するなど、コミュニケーションの基礎を怠らないことが大切です。

また、常日頃から意識しておきたいのが、利用者さんの立場になって考えるということ。表情や言葉、雰囲気などから利用者さんの気持ちを想像すると、接し方や求めているケアが読み取れるようになります。

資格取得を目指す

介護技術の向上の主だった方法のひとつに、資格取得が挙げられます。資格取得に向けた勉強や演習を通し、新たな知識や技術を身に付けることにもなるでしょう。介護に関する資格は複数あるため、自分のレベルに合わせてステップアップしていくのがベストです。

施設によっては資格取得の費用を補助してくれたり、シフトを調整してくれたりすることもあります。資格手当が支給される施設であれば、仕事のモチベーション向上にもつながるでしょう。資格取得により仕事の幅を広げることもできるかもしれません。

視野を広げる

介護は日常に根差しているため、目の前にあることだけでなく、さまざまなことに興味を持って情報収集していくことが大切です。視野を広げることにより、利用者さんと話が弾んだり、レクリエーションに役立ったりと、日常業務につながることもしばしば。

また、他の業務に興味が広がることもあるでしょう。介護に関係あるなしを問わず、広くアンテナを張っておくよう、意識するのがおすすめです。

ひとつずつ積み重ねて介護技術の向上を目指そう

介護技術の向上は、利用者さんと自分の負担を減らすことにもつながります。将来的にキャリアアップしたいと考えているなら、まずは、介護技術の向上から。介護技術の向上のためにできることはたくさんあります。自分にできることから、ひとつずつ取り組んでいくのがいいでしょう。

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